家入さんの出番?首里城再建にクラウドファンディングは貢献するか?

2019年11月01日 06:00

沖縄・首里城の焼失にはただただ言葉を失った。毎日新聞などが報じているように、スプリンクラーが未設置であるなど防火体制も問われており、原因究明と再発防止は当然のことだが、やはり気になるのは再建をめざすにしても現実的に資金調達ができるのかどうかだ。

この姿を再び…(写真AC)

沖縄戦で焼けた後、1992年に再建された当代の首里城は、100億円程度の総工費がかかったとされるが、現在の物価などを考慮すれば、沖縄通の評論家、篠原章氏も述べるように、200〜300億規模は調達する必要があるかもしれない。建設が進められた昭和50年代以降は、日本が経済大国としてピークだった時代だ。国と地方の借金(長期債務残高)は、首里城再建時の1992年度に比べて昨年度は3倍超の1107兆円。焼け落ちた建物は国有とはいえ、いまのご時世では、安易な公費だのみは難しそうだ。

となると、寄付金でどこまで集められるか。

4年前の熊本地震で熊本城が被害を受けた熊本市は、今年2月の時点で20億を集めた(西日本新聞)。復旧工事の総工費が20年で600億円とも言われる中では一部に過ぎないが、首里城正殿の再建費用は熊本城ほどにはかからないだろうから、もし同じペースで沖縄県や那覇市が集めることができるのであれば、心強い材料だ。

また、沖縄絡みといえば、東京都が石原都政時代の2011年に尖閣諸島買い取りのために集めた募金が約14億円。領土保全の愛国心に訴えかけたマーケティングに汎用性があるかは微妙とはいえ、一つの指標にはなろう。

不幸中の幸いともいうべきか、令和の我々は、昭和バブル期よりは豊かではないかもしれないが、インターネットという武器はあり、クラウドファンディングなども駆使しながら、個人レベルから薄く広く、そして手軽に寄付金額を積み上げていくことはできる。

このあたりは、クラウドファンディングを使った災害支援、地方振興を数々仕掛けてきた家入一真氏のアイデアには注目している。

それに、この数年で多数の業者で乱立したキャッシュレスサービスも、その過熱するエネルギーを寄付支援の工夫に向けてもらえないだろうか。ポイントを活用するなど色々できるのではないか。

また、個人だけではなく、法人の寄付も期待したい。熊本城の時は日本財団が30億円をポンと拠出した。仏ノートルダム寺院焼失の時は、ロレアル、グッチ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンといった並みいる高級ブランドのオーナーらが競い合うように100億円単位での寄付を表明してくれたことが話題になった。

北京政府の意を受けた中国企業が巨額の寄付申し出をしてくるシナリオには、政治的メッセージの含意などに警戒をしなければならないだろうが、グローバル企業の資本の力を使えるのであれば基本的には歓迎だ。

新田 哲史   アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長
読売新聞記者、PR会社を経て2013年独立。大手から中小企業、政党、政治家の広報PRプロジェクトに参画。2015年秋、アゴラ編集長に就任。著書に『蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた?』(ワニブックス)など。Twitter「@TetsuNitta」

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