45歳にして吉本新喜劇を初めて観て感じた違和感

大阪に行く機会があり。なんばグランド花月にて、初めて吉本新喜劇というものを観た。たまたま通りがかったら、2000円で観れるよ、とのことだったので。その日、最後の公演で。休憩後のステージ。思わずふらりと入る。

もちろん吉本新喜劇の存在は知っていたが、最初から最後までちゃんと見るのは初めてだった。お笑いのことはよくわからず。闇営業の件でも、名前があがるのは知らない人だらけだったし。チュートリアル問題についても「この人、誰?」という感じだった。テレビなどの現場で芸人さんとご一緒する際も「こ、この人、芸人だったんだ。意識高い系スタートアップ・ベンチャーの社長かと思った」なんてこともよくあり。

そんな私だけど、結論から言うと、ちゃんと面白かった。笑った。誰が出てるのか、さっぱりわからなかったけど。会場人気というものもあり、出るだけで湧く人もいて。ますます戸惑ったけど。

ただ、正直、違和感も抱いた。普通に暴力団風の人が劇中に登場し。借金の取り立てシーンや、「返さないなら、この娘を、いかがわしい店で働かせるぞ」というようなセリフもあり。もちろん、関西の文化だし、フィクションではあるのだが。違和感ありまくり。もっとも、これを半グレ集団の詐欺の例などに差し替えられても嫌だけど。

こういう話は不謹慎狩り、言葉狩りのように思えるかもしれないが。お笑いというものがそもそも苦手だということに気づいた45歳の夜。だから売れないんだな。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2019年10月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。