森ゆうこ効果?国民民主党、支持率でN国とドベ争いの調査結果も

アゴラ編集部

2閣僚辞任、「桜を見る会」騒動で政権支持率は?

内閣改造後まもない2閣僚の辞任に続き、桜を見る会の“私物化”疑惑で安倍政権が窮地に陥っているが、今週発表された報道各社の世論調査を見る限りは、野党側に追い風が吹いているようには全く見えない。

桜を見る会の中止を発表する安倍首相(官邸サイトより)

まず11日にTBSなどが加盟するJNNの調査結果が報道され、安倍政権の支持率は54.3%で、前月より0.6ポイントダウンしたものの、不支持率42.4%は前回と変わらなかったという。

JNNニュースより

そして、選挙報道の当落判定で特に精度が高いとされるNHKも同日午後、最新の世論調査を発表。こちらも内閣支持率は、1ポイント減の47%、不支持率は2ポイント増の35%と、大きな変動はみられなかった。

NHKニュースより

さらに時事通信が15日に報じた同社の世論調査に至っては、内閣支持率が48.5%で前月比4.3ポイントも増加。不支持率は同3.6ポイント減の29.4%だったというから、サンプルの相違による誤差を考慮するにしても、野党側にとってはショッキングなニュースであることに違いない。

時事通信サイトより

調査日は、JNNが9、10日、NHKは8〜10日、時事通信は8〜11日とほぼ同時期。共産党の田村智子参議院議員が8日に国会質問で「桜を見る会」のことを追及したあとに行われたものだ。野党が期待するほどには盛り上がっていないともいえる。

ただし、時事通信が指摘するように「桜を見る会」の中止が決まったのが13日で、騒動がそこから過熱したことを踏まえれば、国民の間で問題意識が醸成される前だった可能性も考えられる。

NHKでは“倍増”も、JNN、時事ではガタ落ちの国民民主

野党の支持率はどの調査も伸び悩み気味。最大野党の立憲民主党は3社とも支持率を少し落としていた。

一方、森ゆうこ氏の質問通告に端を発する一連の騒動の影響が注目される国民民主党。こちらの支持率については意外にも(?)NHKでは前月比の0.7%増の1.4%とだった。ただ、“倍増”といっても、立憲に5倍近く水を開けられている。

NHKニュースより

しかも、逆にJNNの調査では0.8ポイント減の1.0%だからほぼ半減。れいわ新選組、NHKから国民を守る党に肉薄されている。

JNNニュースより

さらに衝撃(笑撃?)だったのは時事通信の調査結果。こちらは前月の0.6%から0.2%と3分の1に激減し、れいわ、社民党(ともに0.6%)の後塵を拝し、N国(0.2)と最下位を争う有様だった。

時事通信サイトより

森氏の騒動は、官僚たちが台風前夜の国会待機を強いられたことで森氏に対しツイッターで相次いで苦言したことや、ツイート時刻取り違えたまま高橋洋一氏を糾弾した国会質問のことなどは、マスコミでほとんど報じられず、ネット世論とマスコミ経由の世論の断絶が憂慮されている。

国会中継(YouTubeより)

各社によって結果がまばらなので、断定はできまいが、特にネットをやらない中高年の人たちの意向を中心に今回の数字に反映されている可能性はある。しかし、政府与党に対し、旧態依然とした日程闘争的な対決姿勢で国民の支持を得られていると言い難いのは間違いなさそうだ。

こうした数字の傾向が、選挙巧者の安倍首相の判断にどう影響するのか。ここにきて年明けの通常国会冒頭解散説も浮上しており、国政の大きな懸案で目立った前進もないまま、永田町は師走に突入しようとしている。