病気保険、改め“真の健康保険”へ

2019年11月18日 16:00

医療費がどんどん増えている我が国で、厚生労働省は予防医療を推進していこうという制度の検討を進めています。病気になってから健康保険を使うということではなく、病気にならないようにしていった方が当然いいわけですから、その方向性には賛成です。

健康保険健康保険にも種類があります。

□国民健康保険
□被用者保険
・全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
・船員保険
・日雇健康保険
・組合管掌健康保険(組合けんぽ)
・自衛官診療証
・共済組合
□後期高齢者医療制度

例えば企業がやっている健康保険組合のいわゆる組合健保、こちらはなるべく医療費を低く抑えようと努力をして予防の啓発には力を入れています。その結果、特定健診、いわゆるメタボ検診については、組合健保の実施率は77.3%です。一方で、国民健康保険では37.2%と低い数値です。

ということで、メタボ検診の実施率を高めることなど6項目を都道府県ごとに、厚生労働省は今チェックをしています。

□特定健診(メタボ健診)の実施率/メタボリックシンドローム該当者及び予備群の減少率
□がん検診受診歯科疾患(病)検診実施状況
□後発医薬品の促進の取組/後発医薬品の使用割合
□糖尿病等の重症化予防の取組の実施状況
□広く加入者に対して行う予防・健康づくりの取組の実施状況
□加入者の適正受診・適正服薬を促す取組の実施状況

国保というのは各都道府県がこれ責任を持っているので、例えば後発医薬品(ジェネリック)を使っているかという使用割合や各種検診の実施率など、実施率が高いとポイントが加点されて、国から都道府県に対する交付金総額(500億円)をそのポイントに応じて配分する仕組みになっています。この制度を来年度からは、ポイントの加点だけではなく、減点も行い配分する仕組みに変わります。

例えばメタボ検診の実施率は高いけれども、その他については実施が低い場合、トータルのポイントが低くなり、交付金が減額になるようなことをスタートさせる予定です。

私も以前から言ってきたことですが、予防医療への転換というのには大賛成なんです。けれども、はっきり言って生ぬるいと思っています。率直に言って、国民一人一人が自分のこと捉えて考えないとダメです。

例えば、特定健診を受診せずに糖尿病になった場合、歯科検診に行かないで虫歯になった場合など、自己負担額が高くなるようにするとか、薬にしても、先発品、後発品(ジェネリック)に差をつけ、どちらを選ぶかで自己負担率を変えるなどです。

健康でいることに特別な努力をするのではなく、健康でいれる仕組みを作り、その仕組みを利用して心がけるということをしなければいけないと思います。好き勝手にやって病気になり、病院に行く。そうした時に、自己負担額以外は税金で補填がされていることはちょっとどうかなと思うんですね。かねがね私は、健康保険と当たり前のように言っているけども、「健康保険じゃないじゃん」って言ってきたんですね。というのは病気になって初めて健康保険を使っているから、健康保険ではなく病気保険ですよ。

「健康を維持するために使うような保険。病気になっても重症化しないようにする」

そうしていくべきだと思うんです。

そのためには、健保事業者のインセンティブだけではなく、国民一人一人の行動に繋がるようなインセンティブを考えるべきだと私は思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年11月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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