2030年消費税15%報道:国民もちゃんとしないと…

2019年12月05日 16:00

消費税が2030年までに15%に上がるという報道が議論を呼んでいます。

つい先日の10月1日、「これまでの8%から10%に上がったばかりじゃないか」と驚いている人も多いと思います。

では、なぜそんな議論が巻き起こっているのかというと、IMF(国際通貨基金)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事が来日にし、これに合わせて、IMFは加盟国と年1回、その国の経済情勢について協定第4条に基づく協議をし出している報告書を25日に公表したからです。

IMF(国際通貨基金)とは国際金融システムの安定化を目的とした国連の専門機関で、主な使命は国際収支が悪化した国に融資を行うことで、IMFの報告書の中には、先ほど言ったように、「2030年までに消費税を15%まで、段階的に引き上げる必要がある」と書いてありました。

その理由は、「日本の経済や財政を分析し、医療や介護で増える社会保障費などを賄うため」とあります。また、「2020年代半ば以降、ということは、5〜6年先からは過去の債務への返済負担が重くなるともあり、さらには労働力不足で税収減、あるいは生産性が伸びていない。」ということなどの課題も書いてあります。

こうしたことから、15%どころか、実はその先の2050年までに消費税を20%に引き上げる必要があるとも書いてあるんです。

はっきり言いましょう。
国際機関がこういう報告で出す数字は、日本をつぶさによくよくよくよく調べて発表しているものではありません。あくまでも発表されている表面上のデータを突き合わせ、また日本国内の経済学者の協力などを得てまとめていることには違いありません。しかし、別の言い方をすれば型通りの論とも言えます。

現在、日本の財政が厳しくてIMFから融資を受けているというような状況でもありませんので、こうした提言に強制力はありません。ちなみに、パリに本部を置き、先進国間の意見交換や情報交換を通じて経済成長、貿易自由化、途上国支援に貢献することを目的とした機関であるOECD(経済開発協力機構)の提言では、消費税を26%まで引き上げる必要があるともいわれています。

「勝手なこと言いやがって」という感じもしますが、それぐらい日本の経済と財政が他の国際機関や他国から見たとき、脆弱だと思われているのも間違いないです。

それは、借金に頼らない財政の健全化に向けた努力も足りないし、成果もはっきり出ていません。そして、財政の基盤となる経済についても、規制緩和などによってビジネスチャンスが増えて、どんどんいろんな新しいビジネスが始まってるという状態になるのも間違いないです。

だから、「今度は15%になるんだって」と大騒ぎする必要もなければ、ビビる必要もないと思います。

しかし、ちゃんとした政策を進めないで、経済停滞と借金依存がさらに進めば、やはりそういう議論になってくるわけです。

国民も、「補助金をよこせ」とか「福祉もっとふやせ」とかばっかり言っていると、やっぱり政策はどんどんどんどんおかしくなりますね。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年12月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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