次年度国家予算と、当年補正予算の一体化を報じない新聞という名のPR会社

2019年12月17日 06:00

あいも変わらず、新聞などの記者クラブメディアは来年度予算と補正予算を別個に報じています。

新年度予算案、102兆円台後半へ 過去最大を更新(朝日新聞デジタル)

政府は、2020年度の当初予算案で、一般会計の歳出総額を102兆円台後半とする調整に入った。20年4月からの高等教育の負担軽減や高齢化による伸びなどで社会保障費が1兆円以上増加する見込みだ。防衛費の増加も総額を押し上げ、101兆5千億円だった今年度当初予算を上回って過去最大を更新する。

20日に閣議決定する。当初予算案が100兆円を超えるのは2年連続。地方自治体に渡す地方交付税の規模を詰める作業などが続いており、総額はさらに増える可能性もある。

ですが、東日本大震災以降、当年度の補正予算はその趣旨を外れて、来年度予算のふくらし粉、第二の来年度予算になっています。

今年度補正予算3.2兆円、税収下振れで赤字国債を2.2兆円追加発行(ロイター)

政府は13日の臨時閣議で、2019年度補正予算案を決定した。経済対策を受けて4兆4722億円を追加歳出する。低金利による国債費の減額などで補正予算の規模は3兆1946億円となる。歳入では、税収が当初見通しを下振れることで赤字国債を2兆2297億円追加発行する。税収下振れに伴う赤字国債の発行は3年ぶり。

政府の経済対策に沿って、1)災害からの復旧・復興に2兆3086億円、2)経済の下振れリスクへの対応として9173億円、3)東京オリンピック・パラリンピック後の経済下支えに1兆0771億円をそれぞれ計上する。

経済対策分の追加歳出に対応する歳入として、2兆1917億円の建設国債を発行するほか、税外収入1881億円、前年度剰余金からの受け入れ8016億円を充てる。

補正予算の大部分が、本来の補正予算の趣旨ではなく、来年度予算で要求すべき事案が多くなっています。仮に本来の趣旨ではない「補正予算」の額が4兆円ならば、実質的に来年度予算は102兆円ではなく、106兆円となります。随分とインパクトが違うでしょう。それもカネがないから大部分を借金で賄います。つまりは見かけ上の予算額を過小に見せて、借金でバラマキしてGDPを嵩上げして、アベノミクス大成功という幻影を宣伝しようとしているのでしょう。

ところがこのような解説をする新聞は殆どありません。

政府の主張をそのまま垂れ流しているだけです。政府に都合の悪い報道や解説はできないのでしょう。そら、どう見ても怪しい新聞への低減税率という「賄賂」をもらっていますから書けないのでしょう。

であれば、彼らは報道機関ではなく、PR会社です。PR会社が官庁の会見やその他の取材機会を独占して、我々ジャーナリストを排除して政府のバイアスの掛かった「報道」という名の「PR」を垂れ流しているわけです。これが果たして民主国家なんでしょうか。

■本日の市ヶ谷の噂■
F-35戦闘機輸入を国産に変える話はやはり米国側から総統官邸じゃねえ、総理官邸に持ち込まれ、それを官邸の走狗である日経とNHKの政治部記者がそのまま垂れ流し。寝耳に水の防衛省や三菱重工は大激怒、との噂。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2019年12月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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清谷 信一
軍事ジャーナリスト、作家

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