新型肺炎:選挙と危機対処には強い安倍内閣の真価が発揮?

桜を見る会問題で露呈した私物化と公私混同、情報隠しと役人への責任転嫁等でどうしようもないほど劣化していると言わざるを得ない安倍内閣だが、選挙と危機対処についての能力が高いことは認めておいた方がいいだろう。

武漢在留の日本人帰国について記者会見する安倍首相(官邸サイト:編集部)

遅い、遅いという声はあるが、明日武漢に政府のチャーター機が出発し、武漢在留の日本人を無事連れ戻し、その後の健康管理や新型肺炎罹患の懸念があるすべての日本人に対して所要の措置を実施できるのなら、日本政府の危機対処能力は諸外国に遜色がなく、その対処措置の具体的内容如何によっては結構進んでいると評価されることになろう。

遅かったのは武漢当局と中国政府であり、今回の新型肺炎対策について日本政府を批判することは相当でないと思う。

中国政府等はどうやら情報統制に走っているようであり、現場で実際にどういうことが行われているのか私たちには分かりにくいが、人口1100万人の武漢市の交通が途絶し、武漢市周辺の高速道路や一般道が封鎖され、武漢市から市民が出ることも武漢市に入ることも出来ないというのだから、武漢市がほぼ陸の孤島状態になっていることは明らかだ。

市民生活が大混乱に陥っていることは容易に想像できる。
武漢はじめ湖北省に在留されている方々の不安は相当のものだろう。
日本政府が、考えられるあらゆる手段を尽くして在留邦人の救出に当たるのは当然である。

今回の非常事態を無事乗り切れば、日本政府の有事対処能力もそれなりに高いということになるだろう。

何が起きるか分からない2020年である。

今のところは、危機対処能力の高い安倍内閣でよかった、ということになるのかも知れない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年1月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。