今週のつぶやき:蛍の光、EUと英国の別れ

新型肺炎のニュースに隠れてしまったのが弘中弁護士事務所の捜査で、それをもとにゴーン被告らの逮捕状が出ました。今回の事件で踏んだり蹴ったりだったのが弘中、高野両弁護士だったと思います。特に弘中氏は無罪請負人として圧倒的な評価で日本でもトップクラスの手腕であります。しかし、本人の能力を超えた事態に巻き込まれた弁護士がどう立ち直るのでしょうか?アメリカなら失敗は次の成功で帳消しになりますが、日本のバッテンは大きいんです。これは日本の良くないところでもあるのですが。有能な弁護士である氏をつぶしてはいけないでしょう。

なぜ日本企業には業績下方修正が多いのか?

10-12月期の決算発表が相次いでいます。アメリカではGAFA関係ではフェイスブックが好決算にもかかわらず将来の成長性維持に疑問符が付いたほかは概ね好調だったと思います。アナリストの事前予想を上回る決算も多く、基本的には安心感が漂います。

一方、日本の決算は現状、約半分が下方修正となっています。なぜ、それほどの差が出ているのでしょうか?ずばり、日本企業は産業や業界をリードできておらず、下請け化、あるいは多くの企業の中のひとつでしかなく、埋もれてしまったことで社会や経済の流れに逆らうことができなかった構造的弱体化があるとみています。

以前からこのブログで何度も指摘していますが、日本は流れに乗るとイケイケどんどんになりますが、落ち込むと人より激しく悲観的になります。私は「感情のボラテイリティが高い」国民特性だと考えています。易しく言うと日本人は大船に乗るタイプが多く、流されるときは皆流されてしまうのです。これは海外にいるとよく見えるのですが、恐ろしく怖い癖だと思います。自分で分析、考える能力を持ち、人のことを必要以上に気にせず、自分の信念を貫くべきだと思います。

中国化したテドロスWHO事務局長の判断

新華社通信より引用

テドロスWHO事務局長。この人は更迭されるべきだと思います。いや、そうではないとおかしいし、世界が黙っちゃいないでしょう。1月23日の緊急会議で「緊急事態宣言」を回避、この時点でも発言は尋常ではなかったのですが、その後、習近平氏とにこやかに会談するのです。このようなシリアスな事態なのに笑っている写真なのです。

そして30日にようやく「緊急事態宣言」を出しますが、その際、中国の制御能力への評価、渡航や交易の自由維持を発言します。中国政府の発表を聞いているようなものですが、なぜここまで慮るのかといえば氏がエチオピア出身であり、エチオピアと中国は同体のようなものだからであります。よってWHOの判断にはフィルターをかけざるを得ないわけです。

欧米航空各社は多くの中国行きの飛行機はもうしばらく飛ばしません。カナダからも向こう1カ月は北京、上海には飛ばないと宣言しています。主要アメリカの航空会社も3月ぐらいまで飛ばしません。一般企業は独自にリスク判断し飛ばすことのよる評判や訴訟リスクもなどを勘案するのでしょう。WHOのように政治まみれよりも企業の判断がよりシビアとなっています。でも日本企業はそんなことはまずしないでしょうね。

蛍の光、EUと英国の別れ

遂にこの日が来ました。メイ首相時代のドタバタが非常に印象的でしたが、先日の総選挙が全ての風向きを変えました。英国人に言わせれば「いい加減に終結してくれ」という気持ちだったと思います。これから12月末までグレースピリオド(猶予期間)でこの間に様々な交渉事をEUと行い、まとめ上げなくてはいけません。これも困難な道のりでしょう。しかし、英国人はそれを自ら選んだのです。そのスタンスは昔からの英国人気質そのものであります。

EUの存在感がどのように変わるのかも注目されます。EUの大統領、議長、委員長が全て変わり、新執行部の手腕も問われます。ドイツへの過度の期待もできず、フランスのマクロン大統領は不人気です。欧州大陸諸国に安定して強い政治能力をもった国は今はありません。

これは「終わりの始まり」なのか、新たな枠組み形成に向けた試金石なのか全くわかりませんが、世界のグルーピングが少し変わる可能性もあるのかもしれません。伝統的で儀礼的な関係より相思相愛の友好国同士の強い結びつきを求めているのかもしれません。世界は本当に読みにくくなったと思います。

後記

注目された沢尻エリカ被告の初公判で彼女は女優業をあきらめると述べました。私から見ればうぬぼれ過ぎて舞い上がったところで自らはしごの上で踊り、はしごから落ちた自業自得だと思っています。有名人にはよくあるパタンです。「若気の至り」でもあるのでしょう。これからは美貌ではなく知力で生きてもらいたいものです。彼女は再建可能です。一番大事なのはREBORNする気持ちです。復活を期待します。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年2月1日の記事より転載させていただきました。