島耕作型サラリーマンが大企業を滅ぼす

漫画島耕作シリーズは「課長島耕作」から始まって会長シリーズが終わり、次は相談役になるようです。

Amazonサイトより

バブル以降日本企業がパッとしないのは島耕作に代表される日本型のサラリーマン経営者が無能だからじゃないでしょうか。

別に島耕作は一見一匹狼風ですが、実は大した経営能力があるわけじゃない。上司に可愛がられ、女にモテ(これはファンタジー)、あとは探偵使って裏工作でのし上がってきました。事実漫画でフィクションにも関わらず、彼の経営してきたテコット社は難しい経営環境に陥っています。

基本的にゴルフや銀座のクラブで、経費で飲み食いして仕事の話をする昭和なサラリーマンのスタイルの仕事ぶりです。昭和のサラリーマン。

同じような金太郎飴タイプです。彼らには新しい発想や独創性もなく、組織を変革しようという気もない。意思決定も遅い。ですから、バブルまでと同じ経営手法、すなわちキャッチアップ時代のガンバリズムで乗り切ろうとする。

入っている社員も勉強はできるけども、寄らば大樹の陰志向ですからリスクをとって新しい提案をしたり、挑戦したりする気位も発想もない。会社にしがみついて美味しい思いをしたいだけです。

結果、ぼくらの昔新人類、いまはバブル世代と呼ばれた、バブル時代の常識が抜けなくて、自社の事情だけには詳しくて、他流試合ができない無能が社内に滞留している。彼らは高給をとって働かないだけの社内失業者ならまだしも、若手や経営者の改革を妨害したり、仕事に茶々をいれます。

最近小さい企業の経営効率が悪いと盛んにいわれていますが、むしろこういう穀潰しを買っている大企業の方が経営効率が悪い。

それを変えられないのは経営者の質が悪いからです。東芝、パナソニック、シャープ、NEC、富士通どこも同じです。アグレッシブで経営判断の早い韓国や中国企業に押されているわけです。

これらの企業のリストラされた社員を中途採用で雇っているのがアイリスオーヤマです。同社は家電に参入して業績を上げております。つまり経営者が優秀であれば大手の社員でも利益をあげられる、すなわちこれは大手の経営者が無能という証拠です。

防衛墓門をもっている大企業もそうです。将来性もない、利益も低く、右肩下がりで、輸出市場で稼いで巻き返してやろうという気位もなく、漫然と継続してリソースを無駄使いしている。どうやっても国内市場だけでは開発のペースも遅く、コスト意識も芽生えない。先にあるのは緩慢な死でしかない。それがわかっていても事業を畳む経営力もない。

島耕作型の昭和のサラリーマン社長では立て直しは不可能です。

■本日の市ヶ谷の噂■
16式機動戦闘車も19式自走榴弾砲もC-2輸送機による空輸実験は開発期間はおろか、採用後の現在に至るまでも一回もされていないとの噂。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2020年2月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。