移住定住イベントで“サクラ”動員。KPIの設定は良いが…

いやー、現政権の看板政策の一つ「地方創生」で、かねてから移住定住イベントへのサクラ動員(バイト代つけて、で、それでサクラとして来てもらって、来場数を確保するってはなし)が問題視されていますよねぇ。

そして16日の中日新聞で、三重県の行った、地域への移住を促進するイベントへのサクラ動員が報道されていました。

全国各地の自治体が東京都内で開いている移住相談会の参加者偽装問題で、三重県が主催した複数の相談会でも、一部の参加者が現金支給を条件に動員されていたことが分かった。福井県や岐阜県郡上市、長野県飯綱町の相談会でも「謝礼」を前提とした不適切な人集めが判明。多くの自治体が出展した移住イベントで、千人超の大規模動員があったことも明らかになった。
(中略)
一八年二、三月に、三重県内を訪ねる一泊二日の二回の体験ツアーは過半数が動員だった。各七人の計十四人のうち、各四人の計八人が下請け企業から一万円を受け取っていた。関係者は「地方へのツアーは拘束時間が長く、日給は高くなる」と明かす。金を渡した八人に「移住への関心の有無は確認した」と話すが、参加の経緯や現金支給の事実など一切を口外しないよう、誓約書に署名させていた。

地方創生も、移住定住の促進ももちろん大事なことだし、そのためのマッチングイベントも必要でしょう。で、その定量目標として来場者数を設定することも、大事なことだと思います。でも、来場者数は、中間管理指標のKPIとしては必要だけれど、本来の目的は「移住定住」につながるかどうか。
つまり、アウトプット指標としての移住定住の量やインパクトこそ本来は重視すべきだと思います。

※写真はイメージです(つばき/写真AC)

中間目標の達成が、自己目的化してもしょうがない。

最終的に求める社会的インパクトを実現するための、アウトカム(アウトプットをもとにした最終成果、ってことね)を。そして、アウトカムにつなげていくための中間管理指標としてのアウトプット(とりあえずの、結果)を管理する必要があるわけで。

来場者数は大事だけれど、それだを目的にすると、数を集めることだけが自己目的化して、今回のような「サクラ・動員」といったことが起きるわけで。

そりゃ、移住定住なんて実際に形なるまでには結構時間もかかるので、短期的に測定するのは難しいんだと思うんですよ。とはいっても、来場者数から個別相談や資料請求に至った件数やコンバージョン率などはよりアウトカムにつながるKPIとして設定してはどうでしょう。

アウトカム(最終成果)を明確に意識した指標設計が必要なのです

とはいえ、事業評価を行ううえで、調査して定量化するコストというのは時間的にも費用的にもばかにならないので、無理なくできる範囲で、しかし有意義であることが求められるんだよね。

このへんの費用対効果のバランスを取りつつ、アウトプットが自己目的化することなく、ちゃんと最終成果=アウトカムにつながるような指標設計や、事業評価が大事だなあ、っておもいました。

ビジネスでも、公的なサービスでも、ですが。


編集部より:この記事は、内閣府地域活性化伝道師・OKa-Bizセンター長、秋元祥治氏のブログ 2020年2月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「秋元祥治(岐阜・G-net・OKa-Biz)の活動日記」をご覧ください。