立憲フェスの開催で、党が得たものと失ったもの

2020年02月18日 06:00

社運ならぬ党運をかけた一大イベント、そのお値段は

コロナウィルスの騒動が冷めやらぬどころか、加熱する一方の中で開催された立憲民主党の一大イベント「立憲フェス2020」。

その是非を巡っては、弁護士の早川忠孝先生が党の危機管理能力を検証する機会とする一方で、アゴラ編集部でもイベント周辺の声を報じるなど、組織のあり方を考える上で色々と考えさせられるものでした。

結果として開催された以上は参加された方々の健康と無事を願うのみですが、はたして私が党執行部の立場にあったなら、今回はどうしただろうか。万全の準備で臨めただろうか、もしかしたら中断に踏み切ることはできただろうか。大いに考えさせられます。

総務省のサイトには各政党の収支報告書が掲載され、最新の平成30年(2018年)分定期公表が昨年11月29日付で公開されています。

立憲民主党の支出報告を見ると、当該年度に開催された「立憲フェス2018」の費用は項目として数えられる関連費用(3ページ目、スタッフシール代、広報業務、運営代)だけでも約9,600万円。恐らく今回の開催も同等以上のものであったことが想像されます。

党の総収入43億円に対し総支出が約25億円であることを考えると、いかに社運ならぬ党運をかけた一大イベントであったかが窺えます。ウィルスに対する懸念も恐らくはあったのでしょうが、それ以上に「ここまでの費用をかけて、今さら中止にできるか」そうした判断も働いたことでしょう。

もしも私が枝野さんなら、開催はする。ただし規模は小さく

私が枝野代表ないし執行部の立場だったならば、どうしただろうかと考えます。はたして開催中止の英断に踏み切れただろうか、それとも今さら後には引けないと決行しただろうか。私なら事業継続マネジメント(BCM)の観点からも、全面中止はしません。

立憲フェスで登壇した枝野代表(立憲民主党サイト)

その一方で「どこまでリスクを極小化できるか」そうした観点で可能な限り規模を縮小し、その上で対策を極大化する。どこまでリスクに対する責任を持てるのか。そうした線引きが今回は改めて問われたと思います。場合によっては、パートナーズなど参加を楽しみにしている方には申し訳ないと思いつつ、あえてご遠慮いただくことも考えたでしょう。

ツイッターで「#立憲フェス2020」をハッシュタグ検索すると、参加された方は概ね好印象で受け止められているようです。他方、同党を支持しない層からは危機管理に対する配慮を非難する意見も少なからず見られます。むしろネットでは後者が多い印象です。

イベントの成否に対する見方は、支持する政党によっても異なるでしょうからここでは問いません。ただ、今回の開催を通じて立憲民主党が得られたもの、そして得られなかったもの。双方あると私は見ています。

何を得、そして何を得られなかったか。あるいは失ったか

得られたものは、言うまでもなく党員やパートナーズの方々の結束でしょう。少なくとも、ネット上で見つけられる限りでは、参加者の満足度は高かったようです。 それが一番の目的であるならば、初期の目標は達せられたといっても良いでしょう。

しかしながら、危機管理に対する考え方の提示、あるいは党勢の拡大という意味ではマイナスだったのではないか。それは今回のイベント開催にあたり出されたアナウンスからも伺えます。

「立憲フェス2020」は予定通り開催いたしますが、新型コロナウィルス感染症の予防対策として、入口や各所にアルコール消毒液をご用意しております。
他方、入手困難な状況が続いているマスクについてはこちらでご用意することが難しい状況です。

ご来場いただく際には、こまめな手洗い・うがい・消毒など、インフルエンザ対策と同様の対応をお願いしたいと思います。皆さまとお目にかかれることを楽しみにしています。

お子様やご高齢の方、持病のある方、免疫が低下している方など、それぞれの事情や状況に合わせてけっしてご無理をなさることのないようお願い申し上げます。

なお、当日の模様は本サイトでも生中継いたします。ご来場いただけない場合は、下記のLIVE映像で「立憲フェス2020」をお楽しみください。」

(出典:立憲民主党公式サイト太字部分は筆者

遠慮といえば聞こえはいいものの、中途半端な印象が私は拭えませんでした。公党を自認するからには、イベントを成功させるためにどこまで全力を尽くしたか。党の覚悟やスタンスを示すショーケースに出来たかも知れないのです。

例えば、参加者全員に配布できるだけのマスクや除菌スプレーを確保するという発想はなかったのだろうか。豊洲市場で活躍しているような「エアカーテン」を、急きょ用立てることは出来なかっただろうか。

あるいは、確保できたマスクの数に応じた規模の開催に留めるとか。何しろ、コロナウィルスの騒動は昨日おとといの話ではありません。準備の期間はあったでしょうし、それにこのような事態になった以上、マスク提供などの配慮も利益供与には当たらないでしょう。恐らくは冒頭の早川先生の記事も、どこまでの危機管理対策を見せてくれるか。そうした期待を込めてのシグナルだったのではないでしょうか。

やるからには、徹底的にやる。できる限りの精一杯を示す。それが見られなかったのは、一連の広報を担った広告代理店にも責任の一端があると言えましょう。

「そこまでやるか、立憲民主党!」そう言わせることが出来たなら、恐らく与党支持者も一目置き、違った評価を得られたことでしょう。今となっては「後の祭り」かも知れませんが、その辺が残念ではあります。

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