新型肺炎でよみがえる福島第一原発事故の悪夢

2020年02月21日 11:31

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大している。2月20日にはクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客2人が死亡し、国内の感染者は700人を超えた。こういうニュースが毎日伝えられるため、イベントやコンサートなどの中止が相次いでいるが、新型コロナはそれほど恐いウイルスなのだろうか。

新型肺炎のリスクはインフルエンザよりはるかに小さい

ダイヤモンド・プリンセスはイギリス国籍のアメリカ客船なので、厳密には日本国内ではない。それを除くと、厚生労働省によれば、2月19日現在の新型コロナウイルス感染者は国内で73人である。

他方、国立感染症研究所によれば、インフルエンザの今シーズンの累積受診者数は約650万人と推定されている。大流行した去年はインフルエンザで1100万人以上が感染し、3000人以上が死亡した。今年も1000人程度が死亡すると予想されている。

ところが73人の新型肺炎患者は毎日報道されるのに、その10万倍近いインフルエンザ患者は報道されず、その数字を知っている人もほとんどいない。なぜだろうか。

「新型肺炎は致死率が高い」といわれる。過去のコロナウイルス感染症(SARS)の致死率は約10%だったが、新型肺炎の致死率は約2%。それも武漢など湖北省が突出して高く、他の地域では1%以下である。

感染症の致死率は、感染の初期には高く出るバイアスがある。これは重症の患者だけ検査するからで、検査が進むとインフルエンザの0.1%に近づくかもしれない。

「新型肺炎は感染力が強い」ともいわれる。これは基本再生産数と呼ばれ、新型コロナウイルスは3程度と推定されている。インフルエンザの1.3の2倍ぐらいだ。

つまり新型コロナウイルスはインフルエンザより致死率で10倍、感染力で2倍ぐらい強いが、それを勘案しても感染者が10万倍近いインフルエンザのリスクは、新型肺炎の5000倍ぐらい大きい。新型コロナウイルスは、風邪のリスクを0.02%ほど増やしただけだ。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長(学術博士)

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