激震でした。
新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい。まずは100万人分。申込方法等、これから準備。#コロナ検査有志
— 孫正義 (@masason) March 11, 2020
そのあと批判殺到で、方針を変更されたようですが、レスを見るとコロナ脳の方がたくさん!!
政権関係ない。わたしだって支持してない。それではどうして孫さん形式ではダメなのか、コロナ脳の方でもわかるように丁寧になるべく難しい言葉を使わないようにして説明します。
検査キットを100万ばらまくとどうなるか
まず、コロナ脳の人は「偽陽性」という意味が分からないと思うのですが、これは本当は感染していないのに「陽性」と出る人です。
本当の感染者はいま日本にどれくらいいるのか。死者は現在15名なので、ここから逆算して推測してみます。
そう書くと「そもそも検査してないのに亡くなってもコロナと見逃しているケースが多いはずで死者はもっとたくさんのはず」という人たちがワラワラ湧きますが、考えてください。先週まで軽症や濃厚接触の人以外の検査をしなかったのは「重症患者に注力するから」だったでしょ。軽症も重症も検査を断っていたわけじゃない。混同するなよ。
コロナなのか細菌性肺炎や誤嚥性肺炎かどうかはCTを撮ったら日本の医師ならほぼ判別できます。そして重症の肺炎になったら入院していますのでコロナを見逃して死亡したら院内感染が抵抗力の無い患者の間にどっと広がり、イタリアのように死者累々となってるはず。「院内感染が起きていない= いままでコロナの死者を見逃している確率は非常に小さい」です。
このブログを書いてる現在、世界的な新型コロナは
総患者数126,367
死亡者数4,633
回復した人68,304
で、ここから計算すると致死率は4633/126367で、3.66%です。つまり100人の患者なら3.67人死にます。
日本は
患者数639
死亡者数15
ですので、日本の死亡者数から推定できる患者数を出すと
15÷0.036= 416.6人。あれっ? 日本の患者数より少ないじゃん! になります。
つまり死亡率は医療崩壊した武漢やイタリアがはいっているのですが、実際はもっと低いのです。前に書きましたけど先進国で医療が整っている場合はだいたい0.88%くらいでしたのでこれを使いますと日本の推定患者数は
15÷0.0088で1704人です。見つかっているのが639人ですので未確認が1065人です。
そこで100万人を簡易テストするとどうなるか。まず100万人の中に何人患者がいるのでしょう。
日本国民に患者がいる確率は 1065÷1億2600万人=0.00000846 つまり0.00084%です。100万人の中には8人の患者がいるはずです。
100万人検査して患者は125000人のうちの1人ですからほとんど会えません。ww
しかし、この検査は誤差がでかい。そこで東大の医学統計の専門の五十嵐准教授に、100万人を検査するとどれくらいの誤差が出るのか試算してもらいました。東京都が検査した場合、医師が「これは検査しなきゃ」ということで検査して感染していた率は5%です。孫さんのバラマキの場合はもっと低いのですが、上限を5%とすると・・・
感染してないのに陽性と出る人95000人!!!
以前の中国のモデル、収束する仮定のものは3000-12000と記憶しているので、多めの12000をとって0.01% (1万人に1人)。さらに「ヤバいと思って検査する人は他の人の10倍くらいのリスクがある」と高めに見積もって0.1%あたり・・・これですと
感染してないのに陽性と出る人99900人!!!
しかも孫さんが配布しようとしていたのは自分で検査する簡易型です。遥かに高い誤差が出る可能性大
新型コロナウイルス感染をPCRで判定しても、様々な問題が発生する可能性があります。
通常のPCR検査より簡易的なものですから、本当は感染していないのに「陽性」と出る人が山のようにいるはずです。そもそもPCR検査はCTや症状から「これはコロナだろ」という時に検査して確定させるものであり、症状も無いような人の診断をするためのものではありません。
この前提で100万人にもっと精度の低い簡易型試験をしたら、感染していないのに陽性になる人が数十万人の可能性があります。感染しているのに陰性になる人は実際には感染者数が少ないので出ても数名です。
偽陽性が数十万人出るとどうなるか
陽性と診断されるとその人たちは不安なのでパニックになって病院に押しかけます。陽性と出ても偽陽性のケースが多いわけですが、本人達は理解できませんので「ちゃんと検査してくれ」と口々に叫びながら病院に行くわけですが、病院側はきちんとした医療機関で検査した訳でもないので普通は「自分の検査で判定されてそれで再検査してくれと言われても」といって断るのは間違いなし。
医者に相談に行っても「症状もないし、検査する必要なし」と言われるのは間違いない。しかしコロナ脳はそれでは納得しません。不安で不安で怖くて怖くてたまらない。いくら8割は3〜4日で回復すると言われても
うるせえ、俺が重症化して死んだらどうする?!
と騒ぎ立てます。数十万人が日本中でこれをやったら医療現場は大混乱してぞっとします。重症者を優先的に診て対処しないといけないときにこんなのが数十万人ですよ・・・・・。医療崩壊確定です。
イタリアでは当初、コロナの患者が増えているのを見過ごしてしまい、マスコミが騒いで慌てて数日で5万を超える検査をした結果、院内感染を引き起こして医療崩壊。今は集中治療室も呼吸器も全く足りなくなりました。
イタリアのメディアは「助ける確率を上げるためにリスクの高い60歳以上は挿管しない。若い人に呼吸器を優先して付けている」と報じていましたが、
先着順に集中治療室にいれると、回復の確率の低い高齢者が占拠してしまうので、年齢で区切って若い患者が来たら一番年上の患者は出すというやり方は完全に医療崩壊ですよね。ですので孫さんにはICUとか人工呼吸器を大量に買い付けて貰って全国の病院に寄付して頂きたいです。
ここまででなんとか「無差別検査は医療崩壊につながる」という事が分かって頂けたでしょうか。これでも分からないようであれば小学校で算数をやり直す必要があります。自宅でオンライン塾に入会したらどうでしょうか。
この本はなかなか面白いです
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年3月12日の記事より転載させていただきました。