バルセロナで文化大臣とポップ・テックの調印式を開きました

2020年03月23日 14:00

スペインカタルーニャ州バルセロナ。
日本のマンガを中心に据えたイベント、マンガバルセロナ。
25年の歴史を持ち、5万人が集います。
その場で「オタクサミット」を開催しました。
カタルーニャ州ヴィーヴァス文化大臣にもお越しいただきました。

CiPが設立した「世界オタク研究所」と「国際オタクイベント協会」IOEAとのタッグ。
世界オタク研究所は、オタク研究の第一人者をネットワーク化し、2020年に完成する竹芝CiPに研究拠点を設置するものです。
5大陸のさまざまな研究者やファンが喜ぶ研究機関に育てていく構想で、オタクサミットもその活動の一環。
参考1「世界オタク研究所、スタート!」
参考2「オタク国際シンポを開いてみた。」
サミット登壇者は、MIT イアン・コンドリー教授、ボローニャ大学 パオラ・スクロラベツァ教授、北京大学 古市雅子准教授、そしてぼく。
米欧中の一線級の研究者と、日本の活動家、ということになります。
オタクとは何か。その課題と展望は。
コンドリーさんは、同人コミュニティの力や過激なオタク表現を下敷きに、創造と協働について語ります。
スクロラベツァさんは、アニメ、小説、映画など世界に日本の文化がいかに波及しているかを説きます。
欧米から日本を視る目の鋭さに驚きます。
古市さんは北京大学生え抜きの学者で、とても稀な日本人正教員。
「動漫=アニメは中国の重要戦略に位置づけられていて、政策で後押しされている。」
「しかしオタクがどう位置づけられるかも国の姿勢次第であり、展望は不明。」
他国にはない、中国ならではの文化ポジションですね。
中国ではオタクのイメージは悪くないの?
古市さん「オタク文化は中国では大学が入口。外国に接する方法をもつ賢い大学生から広がったものであり、彼らは振る舞い方も知っている。だからオタクにマイナスイメージはない。」
なるほど、文化の伝搬法も音なるんですね。
コンドリーさんもスクロラベツァさんも、国内でのオタクのイメージは好転してきたといいます。
さらに、かつてはニッチな領域だったが、メインストリームになってきたとも。
サブカルチャーではなくメインカルチャーだ、ということですね。
ぼくは日本ではもともとサブカルではなくメインだったと考えます。
サブカルという呼び方、きらい。
彼らが強調したのは「オタクは壁を乗り越える」という点です。
オタクはグローバルに広がる。
国境や体制や宗教を超えていく。
保護主義、右傾化といったトレンドに対し、オタクが何をできるか。
政府やケイダンレンじゃなくオタクだからできることは何か。
その融和力をどう活かせばいいか。
オタクのソフトパワーを戦略的に活かせるかどうか。
ぼくにはわかりません。
が、世界中のオタク研究者の総本山、世界オタク研究所はそんなテーマも扱いたい。
来年夏、ポップ&テック特区CiPに看板を掲げます。
CiPはシリコンバレーとハリウッドを合体する、けれど、ポップで、おもしろくて、クリエイターもユーザーもゲーマーもオタクもYouTuberもコスプレーヤーもみんなが集う、日本にしかできない街にしたい。
そして、バルセロナと同様、海があります。
海も活かしたポップをデザインしたいです。
実はバルセロナはスマートシティで世界トップを走る都市でもあります。
テック&ポップなのです。
これまでの訪問では、サイネージはじめデジタル映像の展開に「やるやないか」と驚いていたのですが、今それ以上に、町中に設置されたセンサーやモニターでデータが回されているのですって。
参考3「前略ガウディ様、サイネージはお好き?」
参考4「前略メッシ様、サイネージはお好き?」
http://ichiyanakamura.blogspot.com/2012/02/blog-post_16.html
参考5「バルセロナ、今回は科学館。」
スマートシティのテクノロジーを開発しているIaaC:Institute for advanced architecture of CataloniaのFab Labを訪れました。
とはいえ和服のオッサンによる休日のアポ無し凸で、驚くアジア留学生をつかまえてあれやこれや聞きました。
小さなセンサーを開発し、街に埋め込んでいるとのこと。
バスにセンサーがつけられ、運行情報がバス停のサイネージで表示される。
金沢市のバスがずいぶん早く実装していたものですね。
サイネージは街の見える化ですが、データ駆動のスマート化はしかけがウラに埋め込まれ、見えずに静かに街を便利で豊かにする。
もっともっと見えなくなっていく。見えない化。
ゴミ箱の上部にもセンサーが埋め込まれ、ゴミ処理車両にデータが届けられる。
まさにゴミ箱を扱うおじさんに、この上部の黒い突起にセンサーが入っているのか?と聞いた。
ゴミ箱を引っ張り上げて車に乗せる取っ手だと言う。
いやセンサーが入っているはずだ。いや違う。
押し問答したが真相は不明。
そんなバルセロナのあるカタルーニャ州とCiP協議会がデジタル文化と技術革新の融合を進めるべく協定を結びました。
カタルーニャ州ヴィーヴァス文化大臣とぼくとで調印式を執り行いました。
スマートシティポップカルチャーで、世界の東西の都市が組んで強みを発揮する戦略を進めます。
参考6:ヴィーヴァス文化大臣とぼくの調印式ツイート。
参考7:現地の報道。
「La Conselleria de Cultura y un ‘hub’ japonés colaboran en promover la innovación digital」
ポップカルチャーは技術と一体です。
デジタル技術、スマート技術が文化を変化させました。
そして次の大波が来ています。
AI、IoT、ブロックチェーンといった一連の技術がポップとどうからみあうのか。
都市と文化はどう関わるのか。
このあたり、連携してまいりたい。
(タコがおいしい)
世界オタク研究所は世界中の研究者の砂場になりたい。
自由に遊んで、勝手に山を作って、掘り下げられる。
同時に研究資金やビジネスのおカネが回る工夫もしたい。
(いわしとエビと漬けのタルタルとブッラータ)
独立運動でキナ臭いカタルーニャ州。
ポップとテックで身を立てようとしています。
楽しく一緒にやりましょう。
(いちじくもきのこも絶品)

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2020年3月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。

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