知っトク解説:今回は“円高”

中田宏の知っトク解説。今回は“円高”

ニュースなどで「今日の外国為替市場は1ドル〇〇円〇〇銭」などと言っています。これを為替レートと言います。

例えば海外に行く時、行った国で買い物をするためには円を両替しなければいけません。円ではその国では買い物ができませんから、相手国の通貨に換える、その交換レートが為替レートです。この為替レートは毎日同じではありません。

かつては固定相場制と言われ、1ドル360円という時代がありました。
1973年以降は変動相場制と言われているように、毎日、いや時事刻々とそのレートが変わります。だから〇円〇〇銭の円高などという表現をよく耳にするわけです。

例えば、昨日のレートが1ドル110円だったとします。当然110円を出せば1ドルと交換することができます。これが今日、105円になっていたとすると、これは円高です。この場合、5円の円高、すなわち円の価値が5円高くなったったということです。なぜならば、アメリカで1本1ドルで売られていたジュースを買うのに、昨日なら110円必要だったわけですが、今日は105円で済むということです。それは円の価値が上がったからということで、それまでより安く買えることになります。

円高になると、輸入しているものが安くなるので、輸入が増えます。牛肉やワイン、ガソリンなど主に輸入に頼っているものは安くなります。もちろん全ての輸入品がアメリカからやってくるわけではありませんが、現在は米ドルが世界の基軸通貨なので、他の国との取引も米ドルが基準になります。

逆に輸出するものは、相手国から見ると高くなるので、輸出には不利で、輸出は減る傾向になります。また、日本人が海外に持っている資産価値も下がるということになります。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年3月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。