米国のWHO拠出金は、一体おいくら?

安田 佐和子

トランプ大統領が7日の記者会見で「非常に中国中心的だ(China centric)」と糾弾した上で、世界保健機関(WHO)の拠出金停止に言及し大きな話題となりました。

(カバー写真:United States Mission Geneva/Flickr)

その後の報道では分担金の停止から削減に舵を切ったとはいえ、ある意味で既定路線でしょう。トランプ政権の予算教書で、海外支援向けの予算の削減が盛り込まれてましたからね。

そうはいっても、米議会がトランプ政権の意向を汲み取り予算削減してしまえば、WHOにとって打撃であることに変わりありません。テドロス事務局長が予算削減を振りかざすトランプ氏に「多くの死体袋を目にすることになる」と、極めて強い口調で反発するはずです。

では、米国の拠出額は一体おいくらなのでしょう?WHOのアセスメントに基づけば、2020年の単年で純拠出金総額は4.89億ドル。そのうち、米国は1.15億ドルが割り当てられ全体の23.7%を占めます。なお、拠出金の義務的比率は22%です。

WHOと言えば、一連の対応が批判にさらされ辞任の署名嘆願まで飛び出したテドロス事務局長を思い浮かべる方も多いでしょう。そのテドロス氏の事務局長就任は2017年ですが、それ以前とその後を比較した国別の拠出金額は以下の通りで、上位10ヵ国を掲載しております。

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(作成:My Big Apple NY)

ご覧の通り、中国の拠出額が断トツで伸び、2016年の5.0%(5位)から2020年には11.7%へ上昇、日本を抜いて2位の座を固めております。ただし、任意の拠出額が増加したというより経済発展と人口増加に伴い義務的拠出比率が上昇したためで、中国の比率は2016年に5.1%、2017年に7.9%、2020年は12.0%でした。

とはいえ、中国の存在感が増していることに変わりありません。一連のWHOの動きに加え、テドロス氏自身、同氏が事務局長選前に北京大学で中国との協力関係を強調、当選後はWHOと一帯一路へ向けた支援継続を明言したものです。拠出金だけでは見えてこない関係に、思いを巡らせてしまいますよね・・・かの財務相も、WHOではなく「CHO」と呼ぶはず?

最後に、マーガレット・チャン前WHO事務局長の演説をご紹介しましょう。

「習近平主席は2015年9月の国連ジュネーブ会合で、途上国による”持続可能な開発のための2030アジェンダ”達成を支援すべく、20億ドルの基金創設を発表、2030年までに120億ドルへ拡大する方針を表明した」

WHOへの支援は、拠出金額ばかりではないということが分かります。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2020年4月7日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。