厚生労働守旧官僚は安倍首相の指示もサボタージュ

2020年04月25日 20:00

安倍政権のPCR検査「ハードル高すぎ」に、厚労官僚からも怒りの声』という記事が、ネットメディア『現代ビジネス』にのっていた。時任兼作(ジャーナリスト)という方の署名だが、問題は「厚生労働省の医療行政を担当する事務官」の内部告発ともみえる形を取っている。

編集部撮影、官邸サイトより

ただし、「内部告発ともみえる形」といったのは、なにも重要な内部情報はなく公知の事実だけを使って、しかも、何の根拠もない憶測に基づく邪推をしているだけである。

こうなると本当に、「厚生労働省の医療行政を担当する事務官」が実在するのかも疑わしく思える。そういう立場の人間の口を借りるなら、彼らしか知らない何かが含まれないと事実らしく見えないではないか。

詳しくは、リンクから記事をご覧いただきたいが、論旨は以下の通りである。まず、「巷では、発熱している人でもPCR検査が受けられないとの苦情が頻出している。厚生労働省のガイダンスによれば、確かに検査要件は非常に厳しい」として、2月21日のガイダンスが紹介され、さらに、4月15日、同省は検査体制の拡充を目指し、全国各地域の医師会などがPCR検査を実施できる体制を整備するよう促す事務連絡を、都道府県などに対して発したが何も改善されていないというのである。

①『「厚生労働省にこんな政策決定をさせたのは誰か。これじゃあ、感染者は増えるばかりだ。拡散の抑止ができない」と厚生労働省の医療行政を担当する事務官が、新型コロナウイルスに対する同省のずさんな対応についてこう吐露する』

②「安倍(晋三)首相は4月6日、新型コロナウイルスをうまく制御した韓国を意識するかのように『一日あたりのPCR検査数を2万件まで増やす』と表明し、その後、『ドライブスルーも含めて検討していきたい』と付言している。内閣官房には、厚労省から派遣されている内閣審議官(内閣官房副長官付)などもいて、ダイレクトに厚労省へ政権の意向が伝えられる。検査抑制が政権の意向に沿っていたのと同様、今回の対応も政権の方針転換に合わせたに過ぎない。すべて首相への忖度だ」

③「おまけに、事務連絡はよく読むとわかるとおり、首相の発言をなぞった程度で、形だけのもの。実務はすべて地域の医師会などに丸投げといったありさまだ。これでは、すぐに検査が受けられるような体制整備など望めない。結局、国民のことは眼中にないということだ」

これを見れば、客観的に存在する事実は、「安倍首相の強い指示にもかかわらず」、「厚生労働省は首相の発言をなぞった程度で、形だけのものを各地の医師会等に流すだけでさぼっている」ということである。

つまり、批判されるべきは首相の指示にもかかわらずサボタージュしている厚生労働省であるにもかかわらず、厚生労働省の医療行政を担当する事務官自身が内部の官僚たちでなく首相の方を批判しているということである。

「(韓国のように)日本だって同じようなことができないはずはない。にもかかわらず、やらなかった。これについては、かねて東京五輪開催のために感染者数をできる限り少なく見せようという政権の意向が強く働いていたとの指摘があったが、まさにそうだとしか思えない」

というのだが、そんなことはあろうはずもないが、仮に万が一そうだったとしても、それは3月下旬までのことであって、それ以降のことの説明にはならないのだから完全に論理破綻している。

もしこの厚生労働官僚が実在しているとすれば、もはや首相の指示をサボタージュして感染を蔓延させ、政権攻撃に利用しているとしか思えない。これでは厚生労働省内部からの自爆テロである。

厚生労働省には反政府的な官僚が多い

厚生労働省にははっきりいって、左翼的な官僚が多い。なぜなら、公務員試験を通った学生は普通、財務省とか経産省を初めとする人気官庁に行きたがる。旧内務省系なら総務省や警察庁だ。

どうしてそうかといえば、厚生労働省などが待遇面で差別されているわけでない。幹部ポストや将来の再就職ポストに比べてキャリア官僚を採用しすぎているだけある。そういう意味で、私はこうした役所はキャリア官僚の採用数を減らして少数精鋭にすべきだと思っている。

しかし、人気がもう一つない省庁はどういう採用をするのかといえば、ふたつのタイプがある。ひとつは、優秀ならよその省庁を落とされた学生でも気にせずに採るところと、第一志望にその省庁をする学生を優先するところである。

旧労働省などは、比較的、よその省庁を落ちた学生を採用するのを躊躇しなかった。しかし、旧厚生省は典型的に後者だった。そして、厚生省を第一志望にする学生が思想的にやや左翼的な人が多いことはいうまでもないだろう。

イラストAC

そんなわけで、厚生労働官僚はかなり反保守政権チックな傾向の人が多い。そこで、この厚生労働官僚のように、自分たちで首相の意向をいい加減に扱って成績が上がらないようにして、それを首相の意向を反映したものだと難癖をつけて批判する、マッチポンプをやって、それをなんの根拠もなくアベノセイダーズのジャーナリストが流したとしてもありそうな話だ。

いまから心配な反ワクチン派の接種妨害

ただし、実際には、こういう破壊分子は別にすれば、たいていの厚生労働官僚も一生懸命やっている。しかし、それぞれのムラの論理で梃子でも動かない医者の世界を相手になかば諦めているように思う。

子宮頸がんワクチンのことが典型だが、WHOをはじめ世界がその有効性を認め、医学界でもほとんどの人がその接種の必要性を認めているにかかわらず、少数の反対派がいると事態が動かなくなり、膨大な死者を出していると言われるほどである。おそらく、新型コロナウイルスのワクチンが開発されても、反ワクチン派はその接種を妨害するに違いないから、いまから心配だ。

写真AC

また、菅直人厚生大臣のころあった薬害エイズ事件でもわかるように、大臣が倉庫にいって書類を探さねばならないぬるい体質もないわけでない。

そういう厚生労働省の生ぬるさに対して、加藤勝信厚生労働大臣も、下から上がってきた話は良く聞き正しい判断はしているのだろうが、菅直人や舛添要一のような凶暴といっってよいような荒法師ぶりははっきしていないように見受けられる。

少し安倍内閣としても怖いところを見せつけないと話は進まないと思う。

追記:PCR検査を増やしたいなら、中国に援助を求めて、中国式のやり方で、希望者にしてもらって、重症者以外は中国式の野戦病院みたいのを突貫工事でつくってもらって収容してはどうか?それを見て日本の関係者も採り入れられるものは採り入れたらいい。PCR検査を増やせという人も過去にどうすべきだったかとはいろいろ勝手なこと言ってるが、具体的な解決方法の提案は少なくとも私は見たことない。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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