玉川徹の妄言垂れ流し:水島宏明とヤフー個人に引退勧告する

2020年04月30日 06:01

アゴラの4月のページビュー数が29日の段階で1000万に到達した。月間1000万の大台は私が編集長になってから4度目。

もちろん、アゴラより後発の新興メディアでこの何倍も数字を叩き出すように成長していることを考えると、力不足でしかないが、テレビ、新聞が新型コロナの危機を煽ってばかりの論調に違和感を持つ読者が、流入しているようだ。実際、昨晩はツイッターは今回の騒動でアゴラの存在を初めて知ったという読者から激励の言葉もいただいた。

さて、1000万PVへのダメ押しとなったのは、昨日の朝に掲載した川松真一朗都議の記事だった。

玉川氏・岡田氏の「誤り」が明白になった瞬間

すでにお読みの方もおられるだろうが、東京都が発表する週末分のPCR検査結果について、玉川徹氏が28日のテレビ朝日系『モーニングショー』で「行政検査が土日休みになる」などと事実に反することを述べ、岡田晴恵氏らも同調。都庁のコロナ対策を熟知する川松都議がそれに苦言を呈したもので、いまやネット民に嫌われまくっている玉川、岡田両氏への反論とあって爆発的な反響だった。

テレビ朝日系「モーニングショー」(4/28)より

インフォデミックに加担する元・日テレ記者

川松氏の記事によれば、東京都がテレ朝に抗議を入れたようだ。指摘を受けて、玉川氏はきのうの放送で、事実誤認を認め、一応の謝罪はした。

玉川氏や岡田氏の反権力ありきで事実を軽視し、いい加減なコメントをする人間性はいまさら述べるまでもない。もうひとつ深刻なのは川松都議がこれも懸念したように偽情報の拡散、流行りの言葉で言うところの「インフォデミック」(情報感染)だ。

テレビという大多数に瞬時に届き、かつネットをやらない高齢者には「希少」な情報収集ツールであるというだけではない。ネットでも玉川氏の言説を真に受けた、特に「反権力」色の強い階層の人たちがSNSで拡散して、ひとつの「世論」を作り出してしまう。

それに加担する人たちの中には、他局の情報番組のコメンテイターをする女流作家などの著名人もいて謝罪もしたが、問題は、日本テレビ系列で長年報道畑をあゆみ、現在は上智大学教授を務める水島宏明氏のような「プロ」のジャーナリストが、拡散に“大貢献”したことだ。

水島氏のヤフーニュース 個人記事より

しかも、個人のツイッターではない。月間150億PV(2017年公表時)という日本最強のネットニュースプラットフォームにして、ツイッターでも絶大な影響力のあるヤフーニュースでブログ(ヤフーニュース個人)を書く特権を「悪用」している。

『モーニングショー』玉川徹がスクープ?翌日一転して謝罪(番組訂正を受けた追記あり)

ヤフーニュースはたかがネットと侮れない。看板のヤフートピックスに掲載されようなら、下手な深夜番組などよりもかなりの影響力はある。

私よりネットメディア歴が長いベテランの編集長経験者に言わせれば、ヤフートピックスに記事が掲載された場合の影響力は、テレビの視聴率換算で3〜7%程度という分析があるのだそうだ。

玉川氏の番組の昨年の年間平均視聴率は9.6%だったから、「玉川+水島」の影響力を視聴率換算すると、最大で16%程度になるという見方もありうる。ビデオリサーチ(関東地区)によれば、この数字はNHKの夜7時と夜9時のニュースの視聴率に匹敵する。

見るに堪えない開き直りとすり替え

もしかしたら水島氏やヤフー側はそんな数字は「まやかし」だと開き直るかもしれないが、それくらいの影響力があるという自負も持たずに「放言」を書き散らしていると突っ込まれて反論できるのだろうか。

一応、水島氏は上記リンクの表題にあるように、玉川氏の撤回と謝罪をみて追記する形で、おわびはしたが、このくだりには唖然とさせられた(太字は筆者)。

結果的に、玉川のコメントを信頼し、その取材力や見識を日頃から評価していた筆者は、玉川が「誤報」する可能性などつゆほども疑わず、かえって「スクープ」ではないのかと評価したことで結果的に彼の「事実誤認」を世の中に広げてしまう役割を担ってしまいました。

しかも、この後がひどい。

テレビ番組というメディアが今後もっともっと「事実」や「裏づけ」を大事にして、この点に厳しく向き合って発信する存在になっていくように。

各論(玉川妄言への盲信)から総論(テレビ報道の裏どり)への希釈は意図的だ。私がもし日テレの記者の後輩だったら、激怒するようなすり替えだ。少なくとも同じ読売グループの出身者として見るに堪えない。

現役時代を彷彿とさせる水島氏のプロフィール写真(上智大サイト

何度も言うが、彼は女流作家氏のような報道素人ではない。振り出しは北海道のローカル局で生活保護問題などを追いかけ、NNN系の欧州特派員にも抜擢人事で歴任。キー局の日テレに移籍し、ドキュメンタリー制作で活躍。地方から海外まで地に足をつけた取材をし、百戦錬磨の取材経験を元に、8年前に大学教授に転身する「実力派」の触れ込みのはずだった。

ところが2年前にホテルの予約トラブルで騒ぎを起こし、その「私怨」とも思える話を、「公器」であるはずのヤフーニュースに投稿して大炎上(参照:Jcastニュース)。この時は私も呆れたが、これでネットで有名人になると、水島氏のお騒がせぶりは健在だったようだ。

そもそもヤフー個人で、ワイドショーのやりとりを紹介するスタイルには、記者たちから批判がつきまとっていた。ヤフー系列のバズフィードジャパンの若手記者にすらツイッターで侮られ、懸念が的中した始末だ。

もちろん、若者や現役世代が観る時間の無いテレビのやりとりを紹介すること自体は無意味とは思わない。水島氏は、常に取材現場にいる現役の記者ではないし、むしろ長年の経験を生かして千葉記者のような若手に教え諭すこともあるだろう。

しかし、いくら玉川氏のことを信じていたとしても、水島氏の肩入れぶりは異様だ。二人の間に交流があるのかないのか存じないが、モーニングショーはすでに事実関係に疑義を呈される問題を何度も起こしている。そのなかで「妄言」を「盲信」するのではジャーナリストとしてのキャリアに傷がつくというものだ。

ヤフーニュース個人から引退せよ

いや、個人の威信が失墜するだけなら社会的実害はない。問題は彼が「実務家教員」として、マスコミにも多数の人材を輩出してきた名門、上智大学、それも文学部新聞学科で教壇に立っているから始末が悪すぎる。メディア志望者の多いなかで、何を教えようというのだ。

少なくともヤフーニュースでから騒ぎをするのは日テレ、読売、そして上智の名が泣く。ヤフーから引退されてはどうか。ヤフーニュース編集部も、その左翼気質はともかく、事実の裏付けも怪しく炎上騒ぎを繰り返す人物を、ヤフーニュース個人にふさわしい「専門家」として起用し続けるのだろうか。水島氏が任意引退しないのでれば、戦力外通告をすべきだ。

“マスコミの上智”の名を汚すつもりか

ここまでは論理的に水島氏の問題点を指摘したつもりだが、最後に感情的なものをあえて書こう。私は大学は早稲田だったが、いまは80過ぎの父は上智大学のOBだ。父は卒業後、数年の教員生活を経て、小さな出版社に転職。テレビ草創期に日本初のテレビ雑誌の編集者として働き、のちに編集長も務めた。

上智大学(エンリケ/写真AC)

今でこそ上智大学は早稲田、慶應に準じるような私立大学文系の名門になったが、それはバブル期以降のことだろう。父以外にも無名時代の上智を出て、マスコミで少数派ながら活躍した人たちはいて、その中にはTBSで社長も務めた故・濱口浩三氏(2014年死去)ら大物もいる。

父も濱口氏も一昔前のOBたちは上智がマスコミ人材を輩出する名門としてさらに地位をあげようと、1988年にマスコミ・ソフィア会というOB・OG会を結成。濱口氏が会長、父が実務責任者を務め、勉強会や親睦会を精力的に開催してきた(父は何年も前に引退)。

あれは高校生の時だったが、講師を務めるOBの細川首相(当時)の妻、佳代子夫人が父への用事で、我が家に電話をかけてきた時は、現職ファーストレディからの電話とあって仰天した。

その後、私は別の大学に進んだが、就職前に私もご好意で招かれ、勉強会に顔を出したことがあった。当時は右も左も分からない学生だったが、濱口氏のほか、定年前後の大ベテランの方々と話をしていると、メディアの職人気質的なもの、そして上智の名声を上げることに誇りを持っていることは十二分に伝わってきた。

水島氏は東大出身で、教員として上智は2校目。万一、教える先として「名門」にステップアップしたなどと悦に入っているのだとしたらお門違いだ。そのブランドは、濱口氏、あるいは父のような無名のOB・OGたちが活躍して築き上げてきたものだ。

正直、水島氏のような「知る人ぞ知る存在」の批判記事を書いても、アクセスは玉川記事の何十分の1程度でしかなくアゴラの大した稼ぎにはなるまい。

しかし、ヤフーでの無責任な発信を続け、学生たちにいい加減なことを身をもって教え示すのであれば、上智の伝統を毀損し、先人たちの思いを踏みにじるものだ。外様の実務家教員だからといって、自覚が無いのでは有害でしかない。それを訴えたい一心で筆を取った。

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長

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