使い勝手が飛躍的に向上!イチからわかる助成金の活用方法

2020年05月05日 06:00

さて、5月1日、お待ちかねの定額給付金(10万円)のオンライン申請がマイナンバーカード所持者に対して先行して受付がはじまった。(マイナンバーカードをお持ちでない方は市町村から郵送される申請用紙が届くまでお待ちいただくことになる。また自治体によってかなり受付時期が異なるので要注意。)

未曽有の危機的状況の中、様々なコロナ対策助成が行われているが、まだまだ有効に活用されているとはいえない。雇用調整助成金に至っては、4月3日時点での申請は214件、支給決定はたった2件しかなかったという衝撃的なニュースも報道された。その後、爆発的に申請は増えていると思われるが、とにかく申請の多くは中堅企業以上ばかりで、本来、中小零細を救うことに重きを置いている制度たちの利用が低調の様である。

連休中も助成金の申請や相談を受け付けているハローワーク(NHKニュースより:編集部)

絶対使った方がいい、企業を救う雇用助成!

まず、雇用調整助成金だが、実はこの補助金は労働集約型の企業にとっては救世主的な制度だ。今、事業主が一番頭を痛めているのは、売り上げがたたないのに、固定費がどんどん流出するということではないだろうか。

家賃については先日国内全店舗に対して減免を申請したセブンイレブンをはじめ既に大家さんと減免交渉をしているケースも出てきているだろうが、固定費の一番大きな比重を占めるのが人件費だと言っても過言ではない。特に現在売り上げが激減しているバス会社などは人件費が支出の大半を占めている。こうした企業はとにかく休業し、雇用調整助成金をもらうべきだ。そうすれば人件費の支出が止まる。

上限は8330円と決して高くはないが、休業や時短に踏み切ればその分の助成が無条件に受けられる。助成率も拡充に次ぐ拡充で、90%から最大94%まで助成されることになった。フルタイムで22日働く社員が上限額受け取れれば一か月183260円、十人いれば183万2600円が支給される計算になる。

しかも、今回に限り、全ての従業員を対象に出来る。通常雇用保険の加入が条件になっているが、今回はそれらの条件を緩和し、正社員のみならず、パートやアルバイトも対象になるばかりか、今年四月入社の新入社員にすら適用されるのが凄いところだ。しかも、対象は緩和に緩和を重ね、今や5%減少でOKになっている。まさに至れり尽くせりの制度なのだ。

アルバイトの学生からは「シフトに入れず収入が確保できない」という悲鳴が聞こえるが、この制度を使いシフトに入れない分の休業補償をすれば、こちらも助成され、アルバイトの生活の保障だけでなく、つなぎ止めもできるし、仕事を全く覚えていない新入社員にも休業補償という形で支払うことができる。

また、休業補償というからには、事業所を休まねばならないと理解されている方も多いが、事業所自体休業せずとも、従業員を個別に判断し、Aさんの業務はないので休業扱いにする、Bさんは仕事があるので通常通りの勤務といった形も場合によっては認められる。しかも、既に支払った4月分も遡って申請可能だ。

ちなみに休業補償の理想は10割支給だが、労基法が定めている条件は6割以上なので、6割から10割の間でいくら払うかは事業主の判断となる。

私の周りでも無理に店舗を開けて従来の十分の一程度しか売り上げが上がらず、固定費に潰されそうになっている零細企業が多く見られるが、特に人件費比率が高い会社は、思い切って時短や休業に踏み切った方が、赤字が小さくなるケースも多いのではないだろうか。

これにより、会社が守られることはもちろんのこと、従業員をしっかり守るという事業主の姿勢が社内の空気作りに大いに貢献するし、従業員もこの制度で守られれば何よりではないか。

しかし、なぜにこんなお得な制度が使われていないのだろうか。一番の原因は、雇用主が労働基準法をほとんど理解していないという点にある。もうひとつは、補助金・助成金アレルギーとでもいおうか、とにかく苦手意識を持っている経営者が余りにも多いからではないか。どうも、補助金については、積極的に活用している経営者と労多くして実入りが少ないというイメージがあるのか、使ったことがないという経営者が意外に多い。

従業員の方は是非、頭を抱えている経営者に進言してみてほしい。

子どもがいる家庭は休める!って聞いてない?

学校休校がさらに延長され5月末までとなった地域が多い中、未だに親御さんから「会社は休めないのに、学校も休みのまま。どうしよう?」と嘆いているケースが沢山飛び込んでくる。学校休校等助成金が知れ渡っていない証拠だ。

京都の場合の補助金一覧

この制度が活用されていない原因はひとつ。雇用主が制度を理解していないことと従業員の家庭の状況を把握していないことにある。中堅企業以上になると、社員にアンケートを取ったりして、この制度をうまく活用して休暇を取得させているところもあるが、この制度は対象従業員が一部になるためどうしてもおざなりになりがちなのだ。

その為、この制度をフル稼働させるためには、従業員の皆さんの方から経営者に提案することが一番だと思っている。「うちは学校休校(小学校6年生までOK)で子供が家にいる状態だ」とか、「保育園や幼稚園に通わせているが登園自粛を言われている」などといった家庭の事情を上司に説明し、こうした制度があるらしいという話をセットにお話されることがいいのではないだろうか。

こちらは先述の雇用調整助成金と違い、従業員の家庭環境だけが条件であり、会社を休業したり時短したりする必要はなく、さらに補助率が100%というところが魅力だ。しかも、給与の100%補償が前提となるので、従業員からすると大変ありがたい制度となっている。是非今一度、そうした対象者がいないか、職場を見回してもらいたいと思う。

申請は自分か従業員、はたまた社労士?

さて、申請については基本的に各都道府県の労働局にするのだが、基本的なフォーマットはネット上にあるので、よく読みこんで相談に行かれるのがいい。

簡単にできるのかと問われると、余り簡単だと不正受給の温床になりかねないので(特に今回は)、正直簡単だとは言えないがこれまで経営をやってこられた方なら、その気になれば出来ないことはない。それ以上に問題なのは窓口が慢性的に混雑していることだ。

ご自身でやるのが億劫だという方は従業員を担当者にしてやってもらってはどうだろうか(但し、従業員全員の給与などがわかってしまうのでそこは注意が必要だ)。開店休業状態で仕事を作るのに苦労しているという声も聞く。そういう意味では仕事も作れて、会社にも大いに貢献できる業務なので一石二鳥ではないだろうか。

もちろん、お近くの社会保険労務士さんにお願いすれば、何の苦労もなく助成金を受けることもできるが、助成額の1割~2割が報酬として支払われることになるので、業務に余裕がある場合は是非助成金申請に挑戦してみてほしい。

ただ、ここにきて、問い合わせが爆発的に増えてきており、窓口が対応しきれておらず、電話がつながりにくい、何時間も待たされたなどという苦情も相次いでいるので、それらを考慮すれば、今回は社労士に依頼するのは逆に安いのかもしれない。

これ以外にも、持続化給付金(中小企業200万円、個人事業主100万円・売り上げが前年同月比50%ダウンが条件)や各都道府県・市町村が実施している中小企業等緊急支援補助金(詳しくは各都道府県、市町村まで)や休業要請協力金(大阪100万円他、手厚い自治体多し)などがあり、うまく活用すれば、かなり有効な一手となるだろう。

こちらも半端なく混雑しているようでアクセスできないという苦情が相次いでいる。

最後に、こうした支援制度を探す上で今一番お勧めなのは自民党の特設サイトなので、党派を超えてご活用されたいと思う。

事業主の皆様には、この際、使える制度はフル稼働で何とか乗り越えてもらいたい。

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村山 祥栄
前京都市会議員、大正大学客員教授

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