東京五輪:2024年への延期はありえない

2020年07月02日 20:00

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東京五輪はできる限り2021年に実施すべきだが、楽観はできない。その場合には2022年であるべきだし、2023年もありえないわけでもないが、2024年は難しい。東京都知事選挙で2024年といっている候補者もいるので、なぜそうなのかを説明したい。

私は既に、4月1日に「東京五輪を再順延するなら2022年なのか大検証」という記事を出し、それを「日本人がコロナ戦争の勝者となる条件」にも収録しているが、ここではその一部を紹介するとともに、2024年というのが愚論であることを明らかにしておきたい。

 それは、アスリート・ファーストという理念にそぐわないのが、一つの理由であり、もうひとつは、2024年五輪を開催予定のフランスにとってまったく受け入れる動機がないからであって、センスが悪いと言わざるを得ないのである。

 もともと確実性から言えば、最初から2022年にしておけば良かったなど分かりきった話である。ただ、2021年にしたかったのは、東京サイドにとってコストが増大するというのもあるが、選手の立場からすると、2021年ならほぼ同じひとたちが参加できるし、選考もやり直す必要も少ないが、2022年ではかなりの入れ替えは避けがたい。

それでも、有力選手の多くはなんとか出場できるだろう。しかし、2024年となると8年間、五輪がないことになり選手が気の毒だ。2020年の代表は大半が出場のチャンスを失う。2024年といっている人は開催側のことしか考えておらず、アスリートへの配慮がなさ過ぎると思う。

 次に、2024年ならフランスの了解を得る必要がある。しかし、フランスにとっては、2028年開催などはまったく魅力がない。

フランスにとっても、もしかすると、2024年を25年や26年に延期するというのは、考えられないわけでない。しかし、28年まで延期するのはまったく魅力がない。とくに政治的にいえば、マクロン大統領が再選されるための選挙は2022年春であり、その次の選挙は2027年春である。そういう政治状況のなかで2028年開催はまったく政治的に魅力がなく、そんなことを提案するのは愚劣だろう。

もし、2022年に東京で開催するなら、パリが2024年にそのまま開催するか、あるいは2025年に延期して2028年のロサンゼルスまで3年おきにするのも、両方可能だ。

あるいは、2年ずらしを恒久化して2026、2030というようにすることも検討対象になるかもしれない。しかし、それは、東京の都合で論じる問題でない。

それでは2022年もできないのならどうするのか?2023年は、パリが延期を望むときのみ可能だ。それも無理ならどうするか?ロサンゼルス後の2032年か?あるいは、2026年に無理にやらしてもらうのか?いずれにしても、2024年のパリ五輪の開催がどうなるか受け身でみたうえで判断するしかあるまい。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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