コロナ危機を誇張する朝日新聞の異常

2020年10月31日 06:00

感染者10万人は世界最少レベル

新型コロナウイルスの国内感染者は29日、10万人を超えました。欧米に比べ、感染者数も死者数も日本は圧倒的に少ないのに、朝日新聞は一面トップの大扱いです。騒ぎすぎるから、経済が不必要に委縮する。

一面本記に「日本の感染者、重症者、死者は世界最少レベルに収まっている。欧米に比べ、桁違いに少ない」と、書き込むべきです。

日本の新たな感染者(29日)は809人です。米国では8万4000人(23日)という過去最多の日がありました。日本は100分の1です。再び夜間の外出制限に踏み切るフランスでは、一日当たり5万人以上の日がありました。

朝日は「インフルエンザなどが流行する冬を前に、専門家は警戒を呼びかける」とも書きました。インフルエンザについて指摘するなら、「インフルエンザによる直接的な死者は年間3300人(18年)に対し、新型コロナによる死者は現在1700人に収まっている」と書いてほしい。

これは新型コロナによる慢性疾患の悪化による死者数ですから、「インフルエンザについても、同じようにカウントすると年間の死者は1万人レベル」といったような比較がほしい。

インフルエンザに比べ、新型コロナに対する恐怖心が強いのは、「未知のウイルス、ワクチンが未開発、重症化する場合の速度が速い、高齢者の致死率が高い」などによるのでしょうか。それだけにインフルエンザとの比較をして、状況を冷静に見つめられるようしてほしい。

一面トップの扱いは朝日だけです。読売は一面準トップの3段見出し、それも「クラスター(感染集団)1700か所」のほうが主見出しで、脇見出しで「感染者は10万人」。不安を煽らないとの判断ですか。

朝日は2面にも、大きく「第2波/死者数に地域差」「再拡大の兆し/対策不足懸念」を載せました。3面でも「フランス、再び全土に外出禁止令」「欧州で各国が規制強化」と、大展開の紙面です。不安になります。

対照的なのが日経で社会面の準トップで、それも目立たないで扱いです。経済専門紙のせいもあって、経済に与えるマイナス効果を懸念し、扱いを小さくしたのでしょうか。

朝日は3面に「世界のコロナ感染者」の一覧表(29日現在)が載っていますこれによると、感染者は「米国885万人、インド804万人、ブラジル546万人、フランス128万人」などとあり、一番下に「日本9・9万人」です。圧倒的に少ない。

死者は「米国22万人、インド12万人、英国4.6万人、フランス3.5万人」などで、日本は「1700人」です。このデータから「日本のコロナ危機は世界で最小レベル」と分かります。死者が少ないのは、日本のほか中国、韓国、台湾などアジア地域に何か国もあります。

せっかく国際比較ができるのですから、「読者が一覧表をみれば分かることだ」と考えずに、一面トップの記事に「感染者数、死者数は米国の100分の1程度、欧州に比べても桁が違う」と明記して欲しかった。

正確には人口数に違いがあるなので、人口10万人当たりの数字を紹介すべきでしょう。また、検査体制を改善し、検査対象を拡大すれば、感染者数は増加しますから、再拡大の兆し(2面)と簡単にいい切れません。

「感染者が10万人」というのは、ひとつの節目ですから、日本を含め、爆発的な感染拡大になっていないアジアの国の説明がほしい。

「BCG接種国が多く、間接的な免疫になっている」「中国人は野生動物由来の多くの感染症に対する免疫を備えている」「中国発の疫病に対し、地理的に近い人種は免疫を備えている」「集団免疫が成立している」など、いくつもの仮説が唱えられています。それに触れるべきです。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2020年10月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。

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中村 仁
ジャーナリスト、元読売新聞記者

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