マスパセ事件について

池田 信夫

No-Mad/iStock

昨年9月、ピーチ航空の機内でマスク着用を拒否して航空機を臨時着陸させた奥野淳也容疑者(自称マスパセ)のアゴラへの投稿が、ネットでちょっと話題になっている。彼が1月19日、大阪府警に逮捕されたからだ(22日に起訴)。

「犯罪者の主張を掲載するのはおかしい」という批判が多いが、奥野容疑者はまだ推定無罪である。この記事は共通テストの鼻マスク事件についてのコメントであり、逮捕されたからといって容疑者の主張をすべて否定することはできない。

他方、昨年12月13日に掲載した彼の記事を削除したことについて「容疑者の主張を抹殺するものだ」という批判もあるが、1月18日の記事は今も実名で掲載しているので、これはいいがかりだ。12月の記事は、容疑事実に関する主張を含んでいるので削除した。編集部として刑事事件の一方に加担するつもりはないからだ。

今回の逮捕容疑は航空機内で機長の指示に従わなかった航空法違反と威力業務妨害で、これを反省しない奥野容疑者の主張には批判が多いが、マスク着用を強制すべきかどうかについては、いろいろな意見がありうる。

逮捕の背景にはマスク着用に実質的に罰則を設けようという警察の意図もうかがえる。昨年9月の事件の容疑者を今ごろ逮捕したことにも疑問があるが、刑事事件に公開の場ではコメントしにくいので、あとの議論はアゴラサロンで。