ホンダ インサイトのエコグランプリについて - 小川浩

2009年06月28日 17:16

先日のエントリーでトヨタのプリウスとホンダのインサイトの、いわゆる”ハイブリッドカー戦争”について触れました。

インサイトのハイブリッドシステムはプリウスのそれと比べると”電動アシスト”的な簡便システムであり、実用的な燃費向上には実はハイブリッドシステムではなく、そもそものガソリンエンジンそのものの省燃費システムにあるのに、ハイブリッドカーとしてプリウスに真っ向から挑んでいるかのような発売の仕方が、トヨタの不興を買い、しなくていい”戦争”に巻き込まれることになったと書きました。つまり、マーケティング上の失敗だという意味です。

ところが、今回、ホンダはにAppleとナイキのNIKE+にヒントを得たであろう、素晴らしいマーケティング戦略を打ち出してきました。

それは、エコグランプリという企画であり、インサイトオーナー同士で、日本全国で燃費の良さを競わせるというものです。僕は林信行さんとの共著『アップルとグーグル』で、トヨタがAppleとGoogleと組んで、ナビとiPhone/iPodと、クルマのCPUをつないだら家庭と路上と車内での素晴らしいエコシステムができる、と書きましたが、その夢が実現するかもと思わせてくれる良い企画です。

しかし、それでもホンダがちょっと分かってないな、あるいは惜しいなと思うところが2点あるのでここで触れておきます。

まずは、自社サイトで、「20世紀のレースは速さを競ったが、21世紀のレースは燃費を競う」と書いていることです。これ自体は間違ってない。しかし、ホンダを積極的に選ぶユーザーには、ホンダ=F1、というイメージを持つ者も少なくないはずです。長年かけて作ったイメージを簡単に否定してしまうかのような言い方は問題だと考えます。僕なら、オルタナティブなレース、つまり、速さだけでなく、燃費を競う、もう一つのレース始まる!というメッセージにしますね。

もうひとつは、分かってないというより惜しいなと思うところです。
物理的に間に合わなかったのでしょうが、カーナビではなく、NIKE+のように、iPhone/iPod touchを使ったキャンペーンであれば、もっとパブ効果が高かったし、車種をインサイトに絞ることもなかったのではないか、ということです。燃費データをiPhone/iPodに登録して、ホンダ運営のWebにiTunes経由で送る。そして、燃費を競わせると同時に、CPUへの燃費向上用のプログラムをiPhone/iPod経由でアップデートさせるのです。これができれば、世界全体でキャンペーンを行うことができます。

いまからでも遅くない、iPhoneを自社のエコシステムの中に取り込むことは、ホンダにとって、素晴らしい世界戦略になると僕は考えます。

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