程度が低いのは国民か細田幹事長か - 池田信夫

2009年07月25日 21:46

いつも民主党の批判ばかりしているのは、まもなく野党になる自民党の政策を論じてもしょうがないからですが、たまには自民党についてもコメントしておきます。

自民党の細田幹事長が「国民の程度が低い」と発言した(直後に撤回)のが話題になっていますが、ネット上の反応は圧倒的に「その通りだ」「謝罪の必要はない」という意見です。「メディアも国民をバカにして放送している」と、私の昔のブログ記事が引き合いに出されていますが、私も彼は正しいと思います。


国民の程度が低いから、それに合わせて程度の低いマスコミほど視聴率が取れるのです。放送法の規制(番組編成準則)がなければ、もっと程度の低い番組のほうが数字が取れるはずです。つまりメディアは、日テレの土屋敏男氏もいうように「馬鹿にどう見せるか」を考えているのです。これは商業放送としては当然です。

しかし程度の低い国民に迎合してきたのは、メディアだけではない。経済政策としてナンセンスな選挙目当ての「景気対策」を4回も繰り返してきたのは、細田氏の自民党です。程度の低い国民には政策より利益誘導のほうが効果的だ、という彼らのリアリズムは見上げたものですが、その結果、程度の低い国民ほど利益をえられるようになり、さらに国民の程度が落ちる・・・という悪循環で、こういう国民ができたわけです。

だから経済学も「合理的な経済人」を想定するのはやめて、程度の低い国民と程度の低い政治家のバイアスを補正する「自由主義的な温情主義」を考えなければならない。その第一歩は、まず政治家が自分たちの程度が低いと自覚することです。その自覚もなしに国民とメディアの程度だけが低いと思っている細田氏の程度が、実は一番低い。

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑