程度が低いのは国民か細田幹事長か - 池田信夫

いつも民主党の批判ばかりしているのは、まもなく野党になる自民党の政策を論じてもしょうがないからですが、たまには自民党についてもコメントしておきます。

自民党の細田幹事長が「国民の程度が低い」と発言した(直後に撤回)のが話題になっていますが、ネット上の反応は圧倒的に「その通りだ」「謝罪の必要はない」という意見です。「メディアも国民をバカにして放送している」と、私の昔のブログ記事が引き合いに出されていますが、私も彼は正しいと思います。


国民の程度が低いから、それに合わせて程度の低いマスコミほど視聴率が取れるのです。放送法の規制(番組編成準則)がなければ、もっと程度の低い番組のほうが数字が取れるはずです。つまりメディアは、日テレの土屋敏男氏もいうように「馬鹿にどう見せるか」を考えているのです。これは商業放送としては当然です。

しかし程度の低い国民に迎合してきたのは、メディアだけではない。経済政策としてナンセンスな選挙目当ての「景気対策」を4回も繰り返してきたのは、細田氏の自民党です。程度の低い国民には政策より利益誘導のほうが効果的だ、という彼らのリアリズムは見上げたものですが、その結果、程度の低い国民ほど利益をえられるようになり、さらに国民の程度が落ちる・・・という悪循環で、こういう国民ができたわけです。

だから経済学も「合理的な経済人」を想定するのはやめて、程度の低い国民と程度の低い政治家のバイアスを補正する「自由主義的な温情主義」を考えなければならない。その第一歩は、まず政治家が自分たちの程度が低いと自覚することです。その自覚もなしに国民とメディアの程度だけが低いと思っている細田氏の程度が、実は一番低い。

コメント

  1. edogawadamo より:

    >程度の低い国民には政策より利益誘導のほうが効果的だ・・・ その結果、程度の低い国民ほど利益をえられるようになり、さらに国民の程度が落ちる・・・

    こういう事をズバリいってくれる著名人は貴重です(^^
    民主主義(多数決)は、真ん中より程度が低めを狙ったほうが成功する、という負のフィードバックにより、低レベルに修練していく性質があるのでしょうね。「踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らな損損」とはよく言ったものです。

    民間企業も、社長や役員を社員による投票で決めたら、トンでもない事になるでしょう。逆に言えば政治も、リーダーは内輪で決めて消費者(住民)は結果だけを見て選択する、というシステムの方が良いと思います。そうすれば、賢くないと損をするという正のフィードバックがかかるはずです。

  2. hitoshiy19 より:

    >経済政策としてナンセンスな選挙目当ての「景気対策」
    この根拠は何ですか?

    経済政策は、諸外国との整合性があるもので、日本「だけ」のも王ののでもなんでもありませんが。選挙が終わった米国・台湾でも同様の政策がとられていることについて、どう説明しますか?

    そもそも、昨今の不況対策は景気を「回復」させるものでなく、経済構造が壊れてしまわないよう、「下支え」を目的としたものです。なぜならば、政府支出の大半は「広義の所得移転」(年金・補助金・生活保護等)で、実事業費(いわゆる真水)の経済全体に占めるボリュームはそれほど大きくないからです。なので、政策を実行したから「好景気になる」と」効果を実感できるものではありません。

    経済のことを語るなら、もう少し勉強をしてからにしてはどうですか?70年代のカビの生えたマクロ経済学で世の中を語っても、笑われるだけですよ。

  3. bobbob1978 より:

    「選挙が終わった米国・台湾でも同様の政策がとられていること」

    ここには書いてありませんが、その違いに関しては池田さんのBlogを見れば書いてありますよ。専門家でないので上手く纏められませんが、簡単に言えば日本の不況の原因はアメリカのような一時的な不況と違い、構造的な物だからまず構造を変える必要があるということです。それに以前から池田さんはどマクロな経済学には否定的な立場なのですが・・・。批判するならもう少し著作などに目を通してからにしたらいかがでしょうか?

  4. 国民のことを考えて行動した結果が、「選挙目当」と表現されていることがどうかと思う。何が正しい対策かは様々議論されるが、どんな政策であっても結局は叩かれる傾向もどうかと思う。外野の意見の中には責任を持った発言であると思えないモノがある。

    今の景気が悪くなっている原因は勿論サブプライムのこともあるが、企業の競争におけるのモノの値段に対する価格破壊からもきていると思われる。それは、大企業の努力によって行われた価格破壊によるものばかりではなく、小さな企業によっても技術革新が以前よりも容易にされる時代なったゆえの価格破壊である。価格破壊の末、デフレーションがますます加速している。

  5. satahiro1 より:

    昔、WBSを見ていると経済企画庁長官の尾身幸次氏や堺屋太一氏らに小谷アナらが「今度の経済対策で政府が打ち出す金額のうち、マミズ部分は何兆円ですか」とひつこく聴いていたことを思い出した。
    4大証券の一角やホクタク・チョーギンなどが倒産した頃だ。

    またハセコーの株価が13円になったように準大手ゼネコンの多くは倒産寸前になった。
    その後”内需拡大”政策で建設需要(官需+民需)は60兆円近くになりゼネコンの多くは延命することが出来た。

    今となっては建設需要は半分以下の24兆円ほどだ。
    それらを構造改善した健全企業と”ゾンビ企業”で分け合っている…

    本来ならば不況業種を”構造改革”し健全化してゆくべきだったが、バブル崩壊後の「失われた10数年」を金融業界・建設業界と無駄に過ごした。

    その時の自民党の政策は”政府支出の大半を「(金融業界・建設業界への)広義の所得移転」で彼らの延命を行い、実事業費(税金いわゆる真水)”により国民の幸福に資するためのものではなかった。

    WBSでマミズは幾らと放送されていた時、世の中はよくなる、と思っていたが今となっては”パンとサーカス”を与えられていたことがよく分かる。

    その時にキチンと日本の実情を政治家・官僚らは私たちに教えてくれていたら…