池田信夫 対 西和彦

2009年11月20日 00:52

昨日、久しぶりに池田信夫に会って、コーヒーした。そして、スパコンについて意見交換をしたので、忘れないうちに私の言った考えをを文字にしてまとめておきたい。

2009年11月15日 12:14 の池田信夫BLOG「沈没した「スパコンの戦艦大和」」における池田の4つある指摘(全文引用)とそれに対する西の考え。


池田「予定した性能が実現できるのか:事業仕分けでは「世界一に意味があるのか」という疑問が出たというが、そもそも京速は世界一になるかどうかが疑わしい。今年6月のTop500リストのトップは、IBMのRoadrunnerの1.1PFLOPS。NECと日立が脱落して設計が根本的に変更され、110TFLOPSの実績しかない富士通が単独で設計をやり直して、その100倍の性能が2年で実現できるとは思えない。」

西「これは出来るのではないかと考える。CPUが128GFLOPSで、4つ乗ったのがマザーボード。これで512GFLOPS.このボードがおそらく20枚で1台のキャビネット。合計1Tera FLOPS。このキャビネットを100台x100台並べれば10000Tera=10PetaFLOPS。あえて問題にするなら、CPU間のインターコネクトか。」

池田「スパコンは道具にすぎない:理研で行なうのは学問研究であって、コンピュータ開発ではない。ハードウェアは道具にすぎないのだから、国際入札でもっとも低価格の機材を導入するのが世界の常識だ。たとえば韓国の気象庁は今年、クレイの600TFLOPS機を4000万ドル(約36億円)で導入した。これに対して、京速が予定どおりの性能を実現したとしても、そのコストは1230億円。TFLOPS単価は、クレイの600万円に対して京速は1230万円で、ムーアの法則で割り引くと4倍だ。」

西「理研はスパコンの基本設計をしている。富士通はそれを実施設計をしている。とくに富士通はCPUを自分で作っている。これが大きい。買うだけだったら、誰でもどうぞ、誰でも出来る。昔、渋谷の連れ込みホテル街にもスパコンがあったよ。CPUの設計はともかく、日本の半導体FABで作ったCPUで、日本の会社が世界一のスパコンを作るというのに、大きな意味があると思う。」。

池田「調達に談合の疑いがある:理研の京速プロジェクトリーダーである渡辺貞氏は、元NECの社員。ITゼネコンの元社員が随意契約で外資を排除し、自社を含む3社に共同発注したことは、談合の疑いがある。官公庁では、1000億円を超える調達を随契で行なうことは許されないが、このルールを理研というダミーを使って逃れたのではないか。これはITゼネコンがよく使う手口で、デジタルニューディールで富士通が国際大学GLOCOMをダミーに使ったのと同じだ。」

西「これは、難しすぎて私には判らない。私が富士通のヒトなら、三社で共同受注したときに、日立にハードディスク買うから、手を引いてくれとか、NECにメモリー買うから手を引いてくれぐらいしか思いつかないけど・・・」

池田「「日の丸技術」の開発には意味がない:スパコンというのは、きわめて特殊な科学技術用コンピュータであり、世界で年間数十台しか売れないものだ。富士通がクレイの4倍以上のコストのスパコンを開発しても、世界市場では売れない。日本の大学でも中規模のスパコンをリースで利用するのが常識であり、このような「日の丸技術」の開発にはビジネス的な意味もない。」

西「これは間違い。この度の富士通のスパコンは、凄い商品になる。CPUのSPARC64は凄いチップで、1基で128GFLOPSの性能を持っている。それが、マザーボードの上に4基のって512GFLOPSできる。このマザーボード1枚だけで、凄い科学技術計算機になる。AMDのOPTERONが128基繋がったクラスターが、ピザの箱ぐらいの大きさで可能になる。世界中に売れる商品になる。アメリカにもOEM出来る。」

池田「国際入札をやり直せば、実用的な性能は100億円以内で実現できるだろう。その差額の1100億円を研究やソフトウェア開発にかけるほうが、理研にとっても効率的である。」

西「100億円で使い勝手のいい、こじんまりしたスパコンを日本は手にするが、スパコンを作れない国になってしまう。これは日本の選択の問題である。ここのところの考えかたについて、多くの人に納得して貰えるような説明が求められているのであると認識している。」

以上

アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!

関連記事

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑