Apple vs Google 2010- 小川浩

2010年01月15日 00:00

2008年4月にジャーナリストの林信行さんとの共著で、『アップルとグーグル』(インプレスR&D)という書籍をリリースしました。
当時、なぜAppleとGoogleを比較して論じる必要があるのか、とも批評され、結果として売れ行きは僕の著書の中では芳しい方とは言えないものでした。
しかし、今また中身を見返せば、現状の両者の躍進を、ほぼ完璧に見通していたことに我ながら自負の思いを抱くことを禁じ得ません。

GoogleがNexus Oneという自社ブランドによるAndroid搭載のスマートフォンを、ネット直販という販売チャネル、およびSIMロックフリーというiPhone にはない手法で販売し始めたことで、多くのメディアはGoogleとAppleの利害衝突がついに顕在化したという見方を示しましたが、僕はそうは思っていません。

なぜなら、両者はいまのところ、従来型の(Web閲覧を前提しているiPhoneやNexus Oneのようなスマートフォンではなく、通話主体にネット接続もできるというコンセプトの)携帯電話を完全に過去のものにする戦いの共同戦線をはっているからです。

AppleとGoogleがまず目指す世界は、
・PC用もモバイル用も同じシングルOSの世界=PC WebとモバイルWebの統一
・それによる真のWebオリエンテッドなモバイルコンピューティングの普及
・通信キャリアに縛られたケータイ販売網からの脱却
です。

AppleとGoogleの利害の不一致が明確になるのは、そのあとの話でしょう。

日本のケータイメーカーには残念ながら本当のイノベーションもグローバルに輸出を展開していくだけの戦略が見えません。
既に日本国内でもiPhoneユーザーは300万人といいます。つまり携帯電話市場の3%のシェアをAppleは持っているということです。(iPhone 3Gが発売した直後、iPhoneの成功を確信していた僕のBlogのエントリーには多くの反対意見が寄せられました。http://blogs.itmedia.co.jp/speedfeed/2008/09/iphone-88cd.html

この見方は今でも変わっていません。
もう一度繰り返しますが、AppleとGoogleは、切磋琢磨しているように見えながら、その実、当分は同じ(長期的な戦略的)目標に沿いながら、世界を変えていくでしょう。

AppleとGoogleの直接対決は、さらにおおよそ5年後に見えてくるはずです。そのとき、もしかすると両者が激しい直接対決をしているか、もしくは一つの会社になっているかの、二つに一つでしょう。しかし、繰り返しますが、それはまだ少し先のことです。

++ 次回は再びソーシャルメディアマーケティングについての話題に触れたいと思います。

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