医療保険制度改革法、通称オバマケアの加入者数が2013年10月から2014年3月末までで800万を計上しました。当初はシステム障害に見舞われ非難が殺到し、セベリウス米厚生省長官が4月初めに辞任する運びとなったとはいえ、米議会予算局(CBO)が予想した700万人を上回っています。17日に記者会見を行ったオバマ米大統領、さぞかし安堵したことでしょう。
オバマケアが成功裏に稼働する上で、健康で保険を利用するリスクが低い若者層の加入が必至だったんです。気になる18-34歳が占める割合はというと・・・ざっくりいって4人に1人の28%でした。35歳までに引き上げると35%となり目標値の40%が視野に入ったので、政権側としては及第点に届いたというところでしょうか。そういえば私の周囲でもスタイリストやwebデザイナーなど、フリーランスを中心に新たに加入していました。もともと正社員で医療保険に加入していた金融市場関係者は、「おかげで保険料が100ドル上がったけどね」とボヤいていましたが。
記者会見で、オバマケア米大統領は医療保険制度改革が「機能している」と強調。その上で「誰もが同法案に賛成するとはいかないだろうが、国として気持ちを切り替え最も重要な問題にエネルギーを注力すべきだ」と主張し、撤回を求めるテッド・クルーズ米上院議員(テキサス州)ティーパーティーを中心とした共和党議員に釘を刺しました。
中間選挙を控えるため、共和党側は引き続きオバマケアの廃案を目指す議員が存在するので仕方ありません。
(出所 : TIME)
気になるオバマ米大統領の支持率は、ギャラップ最新版で42%と不支持率が51%を大きく上回っています。2014年2月26-28日時点の不支持率56%、支持率40%から改善したとはいえ2013年夏頃から不支持率が逆転した状態を保っていました。政府機関が閉鎖された当時は、共和党が過去最低の支持率に嘆いたものですが・・。
ただし、ニューヨーク州のマリスト・カレッジ・インスティチュート・フォー・パブリック・オピニオンがニュース会社マクラッチと実施し15日に発表した世論調査では、仮にいま投票するならとの質問に「民主党」と回答した割合は48%。「共和党」の42%を6%ポイント上回っており、オバマ不人気は必ずしも共和党へ票が流れるというわけでもなさそうです。
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年4月17日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。