中国・四川省で8月8日にマグニチュード7.0の地震が発生した。被害が最小限に留まるように祈りたい。
震源に近い世界遺産・九寨溝は多くの観光客が訪れる名所である。中国メディアは地震当日にも4万人近い観光客がいたと伝えたそうだ。日本人の被害については重慶の日本総領事館が情報を収集している。
日本人観光客の安否確認はどのように行っているのだろうか。過去記事をいろいろ調べたが、どうも旅行代理店やホテルへの電話を頼りにしているようだ。在留日本人の場合も、在外公館に提出した在留届の情報を基に緊急連絡を取って援護活動が行われる。いずれでも音声通話が利用されている。
ところで携帯電話は、国内外どこに居ようと常に通信事業者によって所在が確認されている。そうしなければ発信も着信もできないからだ。この所在情報を用いれば、被災地にいる携帯電話加入者は正確に把握できる。加入者にショートメールで連絡が取れればその人は「安」のリストに加えられる。「未確認」で残るのは本当に被災したか通信が通じない人々に限られるので、安否確認はよりスムーズになるだろう。
スウェーデン政府は危険事態が発生している地域にいるスウェーデン人にショートメールで警告を送信するシステムを導入すると、6月18日に現地メディアが報じている。これも通信事業者が持つ加入者の所在情報が活用される仕組みである。
わが国も同様のシステムを導入して、邦人の安否確認を効率化してはどうだろうか。天災だけでなく、テロが差し迫った際に危険を知らせるといった活用も可能になるのだから。