日本にも「スマートインベスター」が増えてきている

日本経済新聞によれば、投資信託の積立投資がジワジワと広がっています。証券会社へのヒアリングによれば、図表のように3年前の2倍のペースになっているということです(図表も同紙から)。

積立が広がっている背景には、NISAのような積み立てを後押しする税制優遇制度が充実があると指摘されていますが、個人投資家の意識の変化も大きいと思います。

それを裏付けるのが、積立額の増加だけではなく、積立に活用されている商品構成です。とあるネット証券では、積み立て投資で購入されている投資信託の残高上位10本がすべてノーロード型になっています。

手数料に敏感で合理的な投資手法を選択する「スマートインベスター(賢い投資家)」が増えていることを示しているのです。

積立とはタイミングを考えないで時間を分散する投資法です。このような投資手法が個人投資家の主流になっていくと、金融商品の資産運用にかかる時間は激減します。ニュースや相場の動きをチェックする必要がなく、淡々とタイミングを考えずに投資することになるからです。

株式の個別銘柄を自分で選択して売買したり、相場の動きを捉えて高いリターンを狙うアクティブ運用は、金融資産では高いリターンに結びつかないことは、データで証明されています。

市場の平均に連動するインデックスファンドで投資対象を幅広く分散させ、積立によって時間も分散させる。「2つの分散」を投信積立で自動化してしまう方が、手間と時間をかけずに長期で高いリターンを得られる可能性が高いのです。

低コストで積み立てをする投資家の数が増えて、その効果を実感する成功体験者が増えれば、さらに同じような投資を始める人が増えてくる。そんなポジティブなスパイラルが続けば、日本人の資産構造を変えるきっかけになります。時間はかかりますが、特に若い世代の人たちには、正しい投資の方法をできるだけ早く実践して欲しいと思います。

資産運用は成功者のリアルな体験を聞くことが、始めるきっかけになることが多いそうです。私も自分自身の投資経験を、セミナーやメールマガジンなどでリアルに伝えています。ただし、自分がやっていることを人に強制するつもりはありません。聞いてみて納得してもらえる人たちと、同じ船に乗れば良いと思っています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年8月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。