朝日新聞が「生活保護者に『顔写真カード」必要? 大阪市の4区「本人確認のため」作製』と報じた。記事の要旨は、大阪市で生活保護受給者に顔写真付きのカードを作り、保護費を支給する際の本人確認に使っているが、受給者支援団体は「個人情報保護条例に違反し、肖像権侵害の恐れがある」と指摘しカードの廃止を求めているというもの。
「顔写真カード」には顔写真と数桁の番号が記載され氏名は書かれていない。なぜ、こんなおかしなカードを用いたのだろうか。
共通番号法によって「生活保護法による保護の決定及び実施」についてマイナンバーを利用するように定められている。支給の際に本人確認が必要であれば、「顔写真カード」ではなく、マイナンバーカードを用いればよいではないか。
記事にはカードを持つ男性の「名前が入らず番号だけ。犯罪者のような扱いで不愉快だった」という意見があった。マイナンバーカードであれば氏名もきちんと記載され、広く国民が保有するカードになるから「犯罪者扱い」ではない。ダイヤモンドオンラインでみわよしこ氏が顔写真カードには偽造防止対策がないと批判しているが、これも解決できる。顔写真カードで「生活保護バレ」する恐れがあるとも指摘しているが、マイナンバーカードであれば「生活保護バレ」はしない。
そもそも、マイナンバーは社会保障・税制度の効率性・透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現するために導入されたものである。実施対象の一つである生活保護については、かねてより不正受給が問題になっていた。朝日新聞でも、2016年8月から17年7月の間に、北海道・秋田・福島・群馬・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・岡山・広島・高知・福岡・長崎・鹿児島で不正受給者が逮捕されたと繰り返し記事が出ている。生活保護分野で公平性・公正性を実現するために、マイナンバーカードの利用を進めよう。