財務省幹部が怒鳴り込んできた!「公務員制度改革」回顧

鈴木 隼人

財務省ツイッターより:編集部

衆議院議員の鈴木隼人です。

行政改革担当大臣からの指名で大臣補佐官に就任し、公務員制度改革を行った時の話です。

当時、天下りの問題や省庁の縦割りの弊害が大きな社会問題になっていました。しかし、そういった問題にメスを入れようとすると省庁からは大きな抵抗に遭います。このため、省庁から送り込まれる秘書官も頼りにはできず、私が大臣にぴったりと張り付いて政策的にサポートしていました。

我々が策定し、天下り根絶、縦割り打破を謳った『公務員制度改革基本法案』は、当初の想定の通り、省庁から激しい抵抗に遭いました。財務省の幹部官僚が大臣室に怒鳴り込んできて、机を叩いて大臣を脅したり、官僚が各省庁の大臣を焚き付けて閣僚会議で反対させたり、官僚出身の官房長官が「公務員制度改革基本法案の内容を大きく修正せよ」と骨抜きにするための指示を出して来たりと、それはそれは大変な目に遭いました。

しかし、我々は諦めることなく、世論を味方につけるための対策を矢継ぎ早に撃っていきました。

若手政治家を集めた勉強会を開催し、いろいろな場で「改革断行すべし」と騒いだり、自民党の中でも抵抗勢力の多い『部会』ではなく改革派が集まる『国家戦略会議』で検討を進めたり、マスコミと毎日のように懇談し、公務員制度改革の必要性について連日報道してもらったりもしました。

こうした対策が功を奏し、『公務員制度改革基本法案』を何とか閣議決定し、国会審議まで漕ぎ着けることができましたが、それまでの多くの抵抗により、改革内容はかなり後退してしまっていました。

そこで、ついには水面下で野党と手を組み、野党から踏み込んだ対案を出してもらうことで、天下り根絶、縦割り打破を謳う『公務員制度改革基本法案』は無事、在るべき姿で成立することができました。

今、各省庁が首相の指示に背くことなく、官邸主導が行き届いているのは、本法律により設置された『内閣人事局』が各省庁の幹部人事をグリップするようになったからに他なりません。


編集部より:この記事は、衆議院議員、鈴木隼人氏(自由民主党、比例東京)のブログ 2017年9月26日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は鈴木氏のblogをご覧ください。