連合は今回の選挙で民進党系の候補のうち、いちはやく希望の党に加わったものを除くものを、原則として希望・立憲・無所属のいずれでもあっても支援している。
その結果がどうなるかといえば、立憲の50名前後の全員、無所属の27名程度のうち自民系の5人と自由党系の2人を除く20名程度。それに希望の40名程度のうち、もしかすると比例で上位にランクされた井上一徳と中山成彬以外のすべてが旧民進党系になりそうだ。
どうしようもなかった民進党が希望・立憲・無所属という三つの看板を使い分けてちゃっかり現状以上の議席を獲得しそうである。焼け太りである。
希望についても、旧民進党、それも最初にはせ参じた細野豪志、松原仁、長島昭久、笠浩一、後藤裕一、鈴木義弘、木内孝胤、横山博幸(ほかの衆議院議員は自民系の若狭勝、福田峰之、旧国民新党の野間勝)以外には民進党出身者には、推薦を出したので、希望の票に加えて連合の基礎票が乗って、小選挙区で負けても比例で当選する者の大半を占めることになる。
つまるところ、希望の党をなかば乗っ取ったような状態が予想される。
そして、紆余曲折はあろうが、選挙後、すぐにかどうかは別として、再来年の参議院選挙をひとつの目標にして一部をのぞいて元の鞘に収まる策謀をするだろう。
選挙のときに所属した政党を変えるというのは、選挙のあとに起きた政治の変化の結果なら許されるが、選挙が終わったら利用するものはしたから逃げるのでは政治家としてより先に人間のくずと言われてもしかたないからそんなことにならないことに期待したい。
また、当初メンバーの出来るだけ多くに当選して欲しいと正直なところ思う。
ところで、連合の迷走もひどい。もともと、民進党の左傾化や共産党への接近に猛反発していたはずの連合が、行きがかりのうえとはいえ、共産党と連携している立憲民主党を支持するも同然とは訳が分からない。
もっとも、その背景には、経済社会の変化のなかで、連合として、まとまって追及するべき利益がなくなってきたのではないか。
そんななかで、連合が希望に警戒感を強めるのは、分からなくもない。それは、希望がめざすのは、維新と同じで、右とか左でなく、アンチ既得権益だからだ。いうまでもなく連合は既得権益を多くもつ大組織のひとつなのだ。
もちろん、維新や小池氏がいう既得権益が悪いものばかりかどうかは別の問題だ。