結婚。それは、生涯の愛を誓い合う儀式。同時に、大金を費やす一大イベントでもあります。
離婚率が50%と言われるアメリカでも、それは同じこと。IBISワールドによると、2014年の結婚産業は500億ドル(5兆3000億円)を突破するまでに成長する見通しなんですって。結婚式の平均費用が2013年に2万9858ドル(316万5000円)というのも、納得ですね。全米で1、2を争う物価高のニューヨークだと、2倍以上に膨れ上がるから恐ろしい・・。
人生の晴れ舞台なだけに、支出を惜しみたくない気持ちは痛いほど分かります。とはいえ、その価値はあるのでしょうか。ジョージア州アトランタにあるエモリー大学のアンドリュー・フランシス、ヒューゴ・マイアロン両経済学教授は、全米3000人を対象に「結婚費用と結婚生活の期間」について調査しました。すると、意外な結果が浮かび上がってきます——結婚式につぎ込む金額が大きければ大きいほど、離婚率が上昇する。
興味深い結果をミネソタ大学でコンピューター・サイエンス研究助手、ランダル・オルセン氏が見事にチャートに転化させていました。マーケットウォッチがこれを報じています。
こちらのチャートをご覧下さい。
(出所:Marketwatch)
婚約指輪を除き結婚費用が「5000—1万ドル(53万—1万600円)」のケースを基準とした場合、2万ドル(212万円)以上の夫婦が離婚する確率は基準を46%も上回っていました。皮肉にも「0-1000ドル(0-10万6000円)」だと、逆に53%下回っていたのです。分不相応な結婚式を挙行したために家計が圧迫されたのか、政略結婚ですぐに綻びが生じたのか・・・恐らく前者が多いのでしょう。
ただし、招待客の数が多ければ多いほど離婚の可能性が低下するという統計も。
新郎・新婦のみを基準とした場合、出席者が増えるに従い離婚率が低下=離婚しない確率が上昇するという結果が出ています。200人以上の出席者の場合、新郎・新婦のみケースより93%も離婚リスクが低下するんですね。家族や友人に数多く囲まれて結婚する2人であれば、障害が立ちはだかっても支援を得る人に困らず、長続きするというセオリーでしょう。
フランスの哲学者ルソーは「他人の好みにかなう妻より、自分の好みにかなう妻を求めよ」と言いました。結婚という初めての共同作業でも見栄や外聞を気にせず、自分達の身の丈に合った好みを貫くことこそ円満な結婚生活につながるようです。
(カバー写真:E of Dreams)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2014年10月16日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。