LINEの「送信取消機能」は有効に使えるのか?

今年の12月以降、LINEはメッセージの「送信取消機能」を実施すると発表しました。
取消の対象となるメッセージは、当初は24時間以内に送信したメッセージとする予定とのことです。

この「24時間以内」というのが、先般、話題として盛り上がりました。私が「泥酔してとんでもないメッセージを送ってしまった翌朝、慌てて取消ができるからじゃないでしょうか?」と言ったら、「それなら12時間で十分ではないか?」いう意見が出て、思わず納得してしまいました。

心理学の分野だと思いますが、次のような実験結果があるそうです。
小売店や飲食店で「割引チケット」等のクーポン券をよく配っています。
そのようなクーポン券、実は期限が長ければ長いほど使用されずに捨てられる傾向があるそうです。つまり、期限1ヶ月のクーポン券の方が、期限1年のクーポン券よりもはるかに多く利用されているそうです。

その理由は、期限が長いと「まだまだ余裕がある」と安心して使わずにいるうちに、忘れてしまう人が多いからだそうです。

クーポン券に限らず、先送りにしてしまうとつい忘れてしまうということって、日常的に頻繁にありますよね。メールの回答を留保しているうちに期限が過ぎて催促されたり、通販のポイントを失効させてしまったり…。

あくまで個人的な見解ですが、LINEの誤送信をしてしまった人のほとんどは、間違いに気づいて「すぐ取り消したい」「相手が読む前に取り消したい」というケースでしょうから、いっそ「送信後10分以内」にする方が効果的だと考えています。

(相手が読むことができない時間帯などで)安心して取消を後回しにしてうっかり忘れてしまうと、24時間経過するか、相手が読んでしまう恐れが高くなります。

「送信後10分以内」にしておけば、送信してしまったメッセージを確認してから次の作業等に進む人が増えるのではないでしょうか?多くの人が送信後の確認作業を習慣化すれば、無傷か軽傷ですむはずです。

とはいえ、思わず爆笑してしまう誤爆も数多くあるので、罪のない誤爆は記念に残しておいた方が楽しい人生が送るという思いも強く持っています(^^;)

説得の戦略 交渉心理学入門 (ディスカヴァー携書)
荘司 雅彦
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2017-06-22

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年11月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。