英国のウィリアム王子(32)は来年2月末から3月初めにかけ、日本を公式訪問する。キャサリン妃(32)は妊娠中で出産予定が4月ということもあって訪日できないことは日本国民にとっては残念だ。オランダのウィレム・アレキサンダー国王王妃両陛下が10月末、国賓として訪日されたばかりだ。欧州の王室関係者の動きが活発化してきた。
▲モナコ王室の朗報を大きく報道するオーストリア日刊紙エステライヒ12月12日付
朗報が届いた。モナコの大公アルベール2世(56)とシャーリーン・ウィットストック妃(36、南アフリカの元五輪水泳選手)の間に10日、双子の赤ちゃんが誕生したニュースが流れてきたのだ。一時期はプレー・ボーイで名を馳せたアルベール2世の大喜びの顔写真が欧州メディアにデカデカと報道された。
ところで、双子の赤ちゃんは男の子と女の子だったが、王室の継承権は男の子が第1位と報じられたことから、王室の継承問題がにわかに脚光を浴びている。欧州メディアによると、女の子(Gabriella Therese Marie)が男の子(Jacques Honore Rainier)の2分前に誕生したが、王位継承権は男の子にあるということが明らかになったからだ。
400年余り続くモナコ王室の規約によれば、王位継承権は男子優先が原則というわけだ。そこで「モナコの王室は古い」といった批判の声が上がってきたわけだ。ちなみに、モナコ王室は1982年9月、国王レ―ニエ3世と結婚して王妃となった米女優グレース・ケリーの急死で当時、大きな衝撃を投げかけた。
欧州の王室の王位継承権は出生順優先が多数を占めている。欧州の王室の代表格、英国では王位継承権は出生年月日優先だ。男女の区別は廃止されている。スウェ―デンでは1979年以来、男女平等で女性の継承権を公認。ノルウェーは1990年から、ベルギーは1994年から、デンマークは2009年に入ってから、それぞれ王位継承権は最初に出生した者にあると改正された。男女平等は欧州の王室では既に定着しているわけだ。例外は、モナコのほか、スペイン王室だけだ。
欧州の王室の世代交代はほぼ終了し、落ち着いてきた。スペインの国王フアン・カルロス1世(76)は6月2日、退位を表明し、フェリペ皇太子(46)が国王に就任したばかりだ。オランダのベアトリクス女王(76)は昨年1月、退位を表明し、長男のアレキサンダー皇太子(47)が国王に就任している。ベルギーではアルベール2世(80)を継承して長男のフィリップ皇太子(54)が昨年7月、国王となった、といった具合だ。
世代交代が遅れている王室は、スウェーデンと英国の2国だ。前者の場合、女性スキャンダルなどで人気を失ったカール16世グスタフ国王(68)の退位を促す声が高い一方、2010年6月に平民出身のダニエル・ウェストリング氏(41)と結婚したヴィクトリア王女(37)の国民的人気が高い。
一方、英国では王位継承の焦点は本来、チャールズ皇太子(66)だが、ウィリアム王子がエリザベス2世(88)の後継者に就任すべきだ、という声が国民の間で聞かれる。
編集部より:このブログは「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2014年12月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。