仮想通貨暴落は、世界同時株安を惹起させるか?

荘司 雅彦

仮想通貨の暴落が止まるところを知らない状況にあります。

ビットコインは、この1ヶ月で半値以下になってしまいました。先週末のニューヨーク株価の下落は、長期金利の上昇が原因だと言われています。

金利の上昇は債券価格が安くなったことを示すもので、割安になった債券に株に投じていた資金が流れたということでしょう。しかし、果たして株式と債券のポートフォリオを少々変えただけで、あのような下落を招くものでしょうか?

株式下落の原因を、私は仮想通貨の急落であると考えています。仮想通貨急落で被った損失を株の売却で補填しているのではないでしょうか?

米国では、仮想通貨購入目的のクレジットカードの使用禁止の動きが広がっているそうです。

これは、借金をしたりクレジットカードを利用して仮想通貨に投資している膨大な数の人たちがいることを如実に示しています。

米国で仮想通貨購入目的のクレジットカード使用禁止の動き広がる(ブルームバーグ)

どれだけの資金が仮想通貨に流れているかはわかりませんが、下落による損失をカバーするために株が売られるという事態は大いにあり得ることでしょう。

そもそも仮想通貨は、投機対象ではありません。ブロックチェーン技術を用いた決済手段としての役割を果たすものです。

大昔のオランダのチューリップバブル、日本の不動産バブル・・・どれをとっても本来の用途とは関係なく投機対象になってバブル崩壊に繋がりました。

リーマンショックも、住宅ローンという本来のあり方を超えて証券化されたものが高騰し、不動産価格の高騰を引き起こしました(どちらが先かはわかりませんが・・・)。

仮想通貨の下落が世界的に莫大な規模であれば、株価下落を引き起こすことは大いに考えられます。

規模や出資者など詳細がわかりませんので、私の杞憂で終わればいいのですが・・・。

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荘司 雅彦
講談社
2006-08-08

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2018年2月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。