NHK「クールジャパン」。
日本のクールを外国人が叩く12年目の長寿番組は、マンガ・アニメ・ゲーム、ファッションや食べ物だけじゃなく、エッそれもクール?というジャンルに広がりを見せ、まだまだネタが続きます。
ここんとこぼくが出演した巻は、例えば、そうじ。マナー。船。刃物。うま味。忍者。ハイテク生活。部活。ネコ・・・
そうねクールだね、というのもあれば、なんでクール?ってのもあるでしょう。
でも外国人と話すと、なるほど、と思わせる見方が寄せられます。
これに対し彼らにもわかってもらえるようにぼくはコメントするんですが、それが伝わっているかどうか自信はありません。
・・・ピックアップしてみましょう。
まずは「ハイテク生活」の巻。
しばらく海外旅行して帰ってくると、日本って便利だよなぁって思うことがたくさんある。もちろん外国人には、もっとびっくりすることがあるようです。
「おサイフケータイ」
ぼくも朝起きて帰ってくるまで、乗り物も買い物もおサイフケータイだけで済ますことが多い。
世界中で使われているICカードも、電車の自動改札機も、発明したのは日本だが、スゴいのは、それをインフラとして整備してること。
鉄道会社をいくつも乗り継いでも、ピッとやれば、運賃を瞬間的に計算して、改札のあっち側からもこっち側からも行き来して、扉を開けたり締めたりする。それを0.2秒ごとに、朝から晩までず~っとやり続ける。これってとんでもない技術だが、それを全ての駅に配備してるから便利に使えるんですよね。
「回転しない回転寿司」
回転寿司にしてもカラオケにしても、日本のハイテクが海外に広がっていった例ですが、既に確立された技術でもまだ突き詰めて研究するのが日本らしいところで、でも追求していったら寿司が回らなくなったってお話。
「ハイテク家電」
大型家電は一度買うと10年は使い、毎日使うものだから、最新のいいものを買いたがる。ただ、家計は主婦が握っているから、おかあさんを喜ばせるものじゃないといけない。エンタテイメントとおもてなし。便利だけじゃなくて、楽しい・面白い、が求められるのが特徴なんですね。
「自動運転車」
ポイントは安全性で、開発側は「機械だから安全だ」と言うが、乗る側は「機械だから不安」。これを解決したい。安全は日本の得意技。新幹線が開業してから事故死が一回もないことがブランドになっているわけで、自動運転でも事故が起きない、という評判になれば認められるでしょう。
自動運転は早く実現してくれればいいけど、それよりも、絶対に安全で、それに楽しくて面白くて、ずっと乗っていたい、というような日本的なクルマを作ってもらいたいです。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2018年7月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。