お役所仕事

普通の民間企業の場合、使った資源に対する得られた成果割合を最大化すべく、効率ということを非常に重視します。対照的に此の効率というものを全く重視していないのは、今の役所です。


国語辞書を見てみれば「形式主義に流れ,不親切で非能率的な役所の仕事振りを非難していう語」に「お役所仕事」という言葉もありますが、各種手続き等々で平気で国民を長時間に亘って待たせたりもするのです。

本来国民の血税を使っている役所こそ、迅速かつ適切な判断が出来るようにして行くため、あらゆる必要な取り組みをして行かなければなりません。予算で全てが動いて行くから各省庁は予算取りに全精力を注ぐだけで、業務自体の効率性追求には重点が置かれていないのではないでしょうか。例えば、インセンティブを与えるといった効率化の為の方策を考えてみるべきです。

他方ある意味そうしたコスト意識に根差すが故に、今回の「欠陥マンション偽装事件」のような大問題が起こってくるリスクは高まりましょう。インセンティブプログラムを検討する場合は公明正大にコストを下げつつ、サービスレベルも落とさぬ形での貢献を評価すべきです。

毎年暮れに見られる予算消化の為の道路工事のように、「またやるの?今度は何のため?」と言いたくなる時があります。官の仕事は往々にして、効率性やコストを著しく軽視した中で行われているように感じます。

事務作業についても同様で転勤が頻発する状況下、全くのど素人が次から次に一分野の担当者となり、そしてそのど素人に再度一から御進講し、その後も結論が出るのに延々と時間が掛かるといった具合に、その凡そ効率性とは無縁の対応を残念ながら見せています。

例えばロシアの役所は更に酷いもので、私は「共産党の名残かなぁ」と感じたりもしましたが、日本の役所ももしかしたら「いい勝負」と言うことかもしれません。要するに、民では通用しない話が当たり前のように官では通っているところがあるわけで、こうした事柄をずっと許し続けて行くことは、我々の血税の無駄遣い以外の何ものでもありません。

会計検査院(…国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した憲法上の機関)をに言うなれば、当該機関はそれなりの仕事をし不正摘発に繋げる類で、その機能を果たしているとは思います。

しかしながら役所の事務効率に起因する問題等の摘発強化で言えば、会計検査院は何らの貢献もしていないと言えましょう。従って私は今後一刻も早く、こうした部分にも鋭いメスを入れ徹底追及して行く機関を作るべきだと思います。

それからもう一つ別の観点から指摘しておきますと、所謂「お役所仕事」を是正するに世界の常識を常時意識する必要があると思います。此の日本という国では、我が国で常識だと思い込んでいる事項が世界の非常識であることが非常に多くあります。

5ヶ月前のブログ『いま何ゆえネット証券評議会の議長選挙立候補か』でも我国が抱える世界の非常識に関し詳述したところでありますが、日本だけの常識をグローバルスタンダードに変えて行くといった姿勢が今求められているのです。

金融行政なら金融行政で世界のそれと比して、「日本のどこが世界の非常識なの?それを常識的にしたら国民経済的にどうプラスが出るの?」等々の観点から、事例検証や政策提言の実施を担うような機関も必要ではないかと思います。

言うまでもなく当該組織体は上記等の判断業務が歪められずに出来るよう、内閣総理大臣直轄で創設し全省庁より独立した形で位置付けられねばなりません。但しその一方でそうした組織を作るとなれば、国家経費膨張に繋がらないように十分な注意が必要です。

当ブログにおいては凡そ4年半前にも、ドイツの財政学者アドルフ・ワグナーによる「国家経費膨張の原則」にも言及する形で、日本の官僚組織の肥大化を批評したことがあります。そして実は今、中国共産党という世界最大の官僚組織が此の原則に当て嵌まる最たるものとなっています。

長老は長老で退任後も人事に関する投票権・指名権に対する一票を死ぬまで有し、死ぬまでその地位に応じて高級邸宅を国から供与され、死ぬまで退任時の報酬・車・秘書も付いた生活が保障される――こうした信じ難いレベルの処遇が維持されているのは、投票権の一票が与えられたままになっているからです。

何れにしてもどこの国でも大なり小なり、民の世界から見れば余りに不効率・非常識である官の世界が罷(まか)り通っているわけです。最近私はそろそろ我国でも、こうした仕組みを変えて行く必要性があろうと考えています。

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