野球選手並みに移籍を繰り返す、政治家たちの離党回数 --- 選挙ドットコム

また政局に関するニュースが話題になっています。
「民主解党」岡田氏に要請へ=前原、細野、江田氏が一致(11月11日時事通信)
岡田氏が「はい、そうですか」と返事をして解党する可能性はほぼ無いでしょうが、それでも維新に続いて民主党も分裂が引き起こりそうです。

政治家はなぜ離党・結党・解党を繰り返すのか


離党・結党・解党というと、

・ 当選したいがための野合
・ 政党助成金目当ての合流
・ ただの人間関係でもめているだけ

などと、否定的な意見が多いのですが、中には僕ら有権者が見えていない20年・30年後の政治のあり方を目指している方もいるのかもしれません。

議員の皆さんは、
1)国民の意見が反映されるベストな政党の形
2)自分の実現したい政策を実現できる環境
3)良いチームワークを生み出せる仲間たち

を目指し、党を飛び出したり、党を作ったり、党を壊したり、と日々活動されている方もいらっしゃるでしょうから、一概に批判はできないでしょう。

…それにしても、この手の話で出てくる名前は、いつも同じような気がしてなりません。
では実際、離党を繰り返す政治家、どのくらいの数の移動をしているのか、少し調べてみました。

思ったよりもえげつない結果に…


seijikanami
※直近で離党・解党・新党関連のニュースで名前の上がった議員のみを対象にしています

・・・えげつない!
最近自民党に復党した園田博之議員は、自民党から離党し、復党し、離党し、復党しています。すごい。

同じく次世代から自民党に復党した平沼赳夫氏は、次世代で党首だったにも関わらず、自分の政党を捨てて自民党に戻っています。

一方で、民主党の解党を進めている細野豪志氏は一度も政党を移動しておらず、生粋の民主党議員だということが分かりました。

また、最近民主党から離党した松本剛明氏も、民主党しか経験していません。外務大臣まで務めていた生粋の民主党議員が離党したことは、民主党の内部にいる方にとってはかなりの衝撃だったのでしょうね。

また、在職期間が長くなればなるほど、政局が動く瞬間に立ち会う機会も増え、離党や解党の回数も増える傾向にあります。例えば、松沢成文氏のように、7回の内、5回は自らの意思ではなく「党がなくなってしまった」というケースも。

自民党という大政党に対抗しうる新しい政党を作ろうと高く志を持つがゆえに、常に挑戦的な環境におり、離党の回数が増える方もいらっしゃいますので、単に所属政党が変わった回数だけで政治家を判断することはできません。その政治家が何を目指し、何を実現しようとしているのかに注目することが大切ですね。

笑い話で済めばいいが…


しかしこれだけ政党の移動が多いと、有権者の側もなかなか議員の所属政党名を覚えることだけでも大変です。

ある知り合いの議員さんは

支持者:「◯◯くん!いつも応援してるよ!次も投票するね!」
政治家:「ありがとうございます!」
支持者:「で、キミはいま、何党なんだい?」

などといった笑い話のような会話がよくあるそうです。
新党・離党・解党の評価は、すぐに分かるものでありません。将来的には価値のある動きになる可能性も十分に考えられます。

しかし、政治家には常に、政局ではなく政策を中心に考え、行動していただきたいと期待します。
選挙ドットコム
増沢諒:食べる政治代表
1988年長野市出身。早稲田大学卒業後、ITベンチャーでの勤務を経て、現在、東工大大学院修士課程。研究テーマは「ネットと政治」。ネット選挙解禁を目指す活動「One Voice Campaign」をはじめとし、様々な啓蒙活動を展開。2014年マニフェスト大賞受賞。
Twitter:mojamoja_megane
WEBサイト:http://taberuseiji.com/


編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2015年11月13日の記事『想像以上にえげつない!プロ野球選手並みに移籍を繰り返す、政治家たちの離党回数まとめ』を転載させていただきました(見出しはアゴラ編集部で改稿)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。