障害者向けなのに、混雑時に優先「されない」飛鳥山公園モノレール

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

昨日の予算特別委員会が大荒れ模様なのですが、重要な陳情・相談をいただいた件を先に取り上げたいと思います(都議会の模様についてはSNSをリアルタイムで随時更新予定)。

地元・東京都北区でもっとも有名な観光スポット・お出かけスポットと言えば、桜の名所・飛鳥山公園です。

「山」と名がついている通り、ちょっとだけ小高い地形になっておりまして、公園の中心部にアクセスするためには階段やスロープなどを利用して5分~10分ほど歩くことになります。

そこでおよそ10年ほど前に鳴り物入りで作られたのが、飛鳥山公園モノレール「あすかパークレール(愛称:アスカルゴ)」です。

 

単なる昇降機ではないエンタメ感があり、無料で利用できることから人気があり、花見のシーズンには大行列ができることもあります。

で、これは何のためにそもそも作られたのかと言うと、公式ホームページにもある通り、「高齢者、障害者や小さなお子様連れなど誰もが飛鳥山公園を利用しやすくするため」なんですね。

しかし昨日、車椅子ユーザー当事者の方から、

「実態としてはまったく障害者が優先されることはなく、ずっと行列を並んで待つことになっている。これは設備の設置趣旨からおかしいのではないか?

というご相談をいただきました。

早速、私からも北区役所に問い合わせて確認したところ、

「平常時は車椅子の方等を優先して乗せているが、混雑時は行列を二列にするスペースもないので、優先対応が難しい。なので『呼びかけ』などは実施しているが、障害者の方にも行列に並んでお待ちいただいているのが実情。

との回答でした。

うーん…?

「平常時は優先している」と言われても、平常時は混んでないから、普通に乗せているだけですよねそれは。

確かに行列を並べばいつかは乗れるわけですし、ずっと遠くの公園裏側までいけばスロープがあって車椅子ユーザーも公園中心部にたどり着けますから、直ちにこれをもって法で禁じられた「合理的配慮に欠ける」状態とは言えないかもしれません。

しかしながら、この設備を多大な税金を投資して作った目的・趣旨からすると、明らかに間違った対応をしているのではないでしょうか。

このモノレールが完成したおよそ10年前と比べても、障害者を取り巻く環境や意識は大きく変わっています。平成28年4月からは「合理的配慮」も行政には義務化されていますし、現状には改善の余地があると思います。

例えば、行列を2つ作るスペースがないのであれば、障害などハンデをお持ちの方には整理券を配って、1台おきに整理券を持っているユーザーを優先搭乗させたり、並ばずに待てる場所で待機してもらうディズニーランドなどが採用しているのと似た形ですね。

事前にネット予約を取れるようにして、その時間に来られた方は優先的に乗せるというのもアリでしょう。

あるいは思い切って有料化(50~100円)し、特別な配慮を必要とする方は無料とするのも一つの手だと思います。

「スペースが狭いから、何らかの事情があるから、仕方ない」

で済ませるには、設置趣旨や実態から考えてあまりにも不親切な状況の飛鳥山モノレール。

こうした対応に、本当に北区が多様性のある街づくりをしたいのか、バリアフリー社会を創りたいのかの本気度が現れるのではないでしょうか。

月末には桜のシーズンも始まります。私からも北区役所に、早急に運用改善を検討していただくことを申し入れ致しました。

健常者の方々はできるだけ徒歩での散策を楽しんでいただけるよう、周知を強化することも必要です。

引き続き北区役所の対応に注視し、今花見のシーズンに対応が行われるかどうかを確認したいと思います。

同様のケースでお困りの方がいらっしゃいましたら、ご連絡をいただければ幸いです。

それでは、また明日。