香港市民運動ヒロインら3人拘束に、門田氏「露骨な弾圧」

香港の市民運動のリーダーで、象徴的な存在だった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(22)、周庭(アグネス・チョウ)氏(22)と陳浩天(アンディ・チャン)氏(28)が30日朝、香港の警察当局に身柄を拘束された。陳氏が事務局長を務める政党「香港衆志」(デモシスト)のSNSがこの日明らかにし、世界各国のメディアも報じた。

逮捕を知らせる香港衆志のFacebook画像

デモシストのツイッターでは、黄氏が早朝、路上を歩いているところを、一般車両のミニバンに押し込まれたなどと身柄拘束時の生々しい模様を報告した。


ロイターによると、香港警察は逮捕容疑について、黄氏と周氏は、組織化されていない集会を計画し、無許可と認識しつつ集会に参加、陳氏は7月のデモで暴動に参加し警察を攻撃した疑いがあるなどと、説明したとしている。しかし、日本のネットで、香港警察の説明を額面通りに受け取る人はほとんど見られない。

逮捕の一報があってから、日本のツイッターは3人の身の安全を憂慮する意見で埋まった。特に周氏については、日本語を流暢に使いこなし、6月には来日して香港の危機を訴えたことから、日本国内では民主化運動の「ヒロイン」として注目を集めた経緯もある。

ツイッターでは「アグネス・チョウ」が瞬く間にトレンド入り。香港問題に詳しい論客が次々に意見を表明した。

中国通のジャーナリスト、福島香織氏は「アグネス.チョウとジョシュア・ウォンまで逮捕だと?」と一報に驚きを示した上で、「周庭さんは、平和主義の穏和派なのに、さては穏和は潰してデモの過激化誘導で、軍事介入の口実作りか?」と、香港当局やその裏で糸を引いてるであろう中国政府の意図を読んでいた。


ジャーナリストの門田隆将氏は「遂に露骨な弾圧が始まった」と指摘、「あなた達の踏ん張りは世界が認めている。頼む、命が第一だ」と拘束されたメンバーの無事を祈った。