中田宏の知っトク解説。
今日は最低賃金。
最低賃金とは、最低賃金法に基づいて、労働者に対して支払われなければならない最低の賃金の額です。
正規雇用、非正規雇用・アルバイト、パートなど一切関係なく、全ての働き手に適用されます。
国の最低賃金審議会で年に1回の議論を経て決められます。
最低賃金には2種類あります。
一つは、都道府県ごとに定められる地域別最低賃金です。
例えば、現在の最低賃金で最も高いのは東京都の1013円、反対に最も低い790円で、青森県や大分県・高知県など合計で15件あります。
もう一つは、特定の産業分野で働く人向けの特定最低賃金です。
例えば鉄鋼業、自動車業、紡績業、電子部品製造業など様々あり、それが都道府県ごとに設定されます。平成31年3月末の設定件数は
229件、適用使用者数は約9万人、適用労働者数は約289万人です。
最低賃金は、その地域で健康的で文化的な最低限度の生活をしていく費用などを勘案して決めることになります。仮に会社も働く人も最低賃金よりも安い賃金で働くことに合意していたとしても、それは違法であり無効です。そのような場合は差額を支払わなければならず、罰則や罰金などもあります。
最低賃金は経済政策としてもよく議論されます。最低賃金を上げれば所得が増え、消費が増えて経済が上向くという意見もありますし、逆に最低賃金が上がれば、企業経営が厳しくなり、経済にマイナスという意見もあります。
別の角度から言えば、最低賃金を上げなければ、短期的には現在の雇用が維持され、逆に最低賃金を上げれば、中長期的に見て企業や雇用が流動化して、企業の再編や雇用の拡大になるとも言われています。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年10月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。