沢尻エリカさんを巡るトークバトルで、今田耕司さんの神対応

話題になっていた、2019年12月14日放送の読売テレビ「特盛!よしもと」での、沢尻エリカさんをめぐるトークバトル、やっと見ることができましたが、いや~これが凄い神回となっていて、時代はついにここまで来たか!と感無量です。

「特盛!よしもと」(12月14日放送より)

この番組、何がすごかったかというと沢尻エリカさんに対し「2度とTV界に戻ってくるな。一発アウト!」と、発言した杉村太蔵さんとそれに追随したほんこんさんに、MCの今田耕司さんと、弁護士の角田龍平さんが真っ向反論したんです。

最近の吉本芸人さんは、自分たちの内部の問題については棚に上げ、政権にすり寄り補助金を獲得しまくり、そのくせスケープゴートのように薬物事犯だけは徹底的に叩き潰してきたり、特にほんこんさんは、最近のTwitterなんか見ていると、虎ノ門ニュースなどに出られるようになって、政治的にかなり偏った発言をするようになっていて、ホント一体どうしちゃったのでしょうか?

とまぁ、そんなおもねり体質にうんざりしていたところ、まともな議論ができる吉本芸人さんもいた!と、それがまず嬉しかったですね。

一発アウト発言に対し、まず弁護士の角田龍平さんが、
「一発アウトと言ってしまって、世の中の人がみんなそう思っているとなったら、今、治療に行きたいと思っている薬物依存症の人たちが治療に行けなくなってしまいますよ。」
と、現実的な発言で口火を切ってくれました。

するとほんこんさんがキレ気味に
「違う!俺らが一発アウトと言っているのは、この世界の人間に対してや!」
と言ったのですが、それに対して今田耕司さんが、
「(その区別は)一般の人にはわからへん」とおっしゃったんですね。

そこにかぶせてさらに角田弁護士が、
「じゃあ、一般の人と芸能人は何が違うんですか?」「芸能人が重くなる理由はなんですか?」
と、ド正論で突っ込みを入れました。

私なんか「そうだ!そうだ!」とここでもう胸がスカー!っとしましたね。
もう、その通り!「俺らの世界にいた仲間だけど、再起なんか俺ら関係あらへん。それはよそでやってくれ!」という一部芸能人の傲慢な態度には常々反吐が出る想いです。
人が再起を果たすには、周囲の人たちの愛情や労力、つまり奔走したりネゴったりと様々な努力がいるわけじゃないですか。

それらを「自分たちは選ばれし者、一部セレブだからそんな努力はしたくない!下界の者たちが勝手にやれ!」とばかりに、切り捨てていく今の芸能界、芸能人は思いあがるにもほどがあります。
各業界で、再起のための努力は応分に負担し、汗をかき理解されるよう努めるべきです。
特に親しい友人たち、著名人の仲間達が手を差し伸べましょうよ!実際欧米のセレブはそうしてるじゃないですか!

これに対してほんこんさん「テレビは影響力があるからや!」、そして杉村太蔵さんは、
「何故、一発アウトかと言えば、第二第三の沢尻エリカさんの様な若い俳優さんを作りたくないからですよ」と、またまた熱血ぶって語った訳ですよ。もうね~失笑もんですよ。

いままで芸能界何度も大騒ぎし、それで消えてった人もいますけど、それでも何度も繰り返されているじゃないですか。
一発アウトにしたって抑止力なんかないんですよ。

しかもテレビももうそれほど影響力ないですしね。今の子供達なんか、ほんこんさんも杉村太蔵さんも知りませんよ。
うちの子たちは、実際知りませんでしたから。
若い子にはユーチューバーやインスタグラマーの方がずっと影響力あります。

それに対して、月亭八方さんがさら~っと
「太蔵さん、一発アウトと言ったって、やる人はやります。」と流してくれたんですね。

しかも杉村さんがさらに
「現実問題、沢尻さんがこれだけコンプライアンスの厳しい中でテレビの世界に復活できると思いますか?」
と、またしても上から目線発言をしたら、ここでも八方さんが、
「沢尻さんが復帰できるかどうかってことを、何故あなたが目くじら立てて言うの?」
と、もう全員が思っていた疑問を、笑いながら言ってくれたので、会場に爆笑が起こったんですね。

これもまた胸がす~っとしましたね~。ホント杉村さん正義感ぶった裸の王様ですよ。何様のつもりなんでしょうか?
だってあなた「議員になって、料亭行きたい!BMW買いたい!」っていった人ですよ。

国民は、あの時すごく嫌な気分にさせられたことを忘れてないし、あなたが議員としては何の実績も残さずに、高い給料とって1期でやめたことも忘れてないけど、あなたがTVで偉そうに言うことを、みんなは許してるじゃないですか。

誰だってそうですけど、失敗を許された人間の一人にすぎないんですよ。
しくじり先生のあなたが、人のしくじりを熱く責めても滑稽ですよ、ホント。
このやたら正義感ぶった態度には今田さんも
「なんやねん、お前の国会みたいな態度は~」と笑いを誘っていました。

そもそも一般人は医療者の守秘義務があるので、理解ある医療機関に繋がってきた人は、別に逮捕されることなく、治療を受けられます。
だから「一発アウト」発言は、それを邪魔しているにすぎないんですね。

そしてデーブスぺクターさんが、
「一般人は(決意さえすれば)逮捕されずに治療を受けられるのに、
(悩んでいる)芸能人が、なぜ事前に相談できないかと言えば、杉村さんみたいな人がいるからですよ。」
ってずばっと言ってくれたんですね。

それに対してほんこんさんは、「悪いことは悪い!という俺らが何で責められるんや~」とまたキレた。
そしたら角田弁護士が「そうですよ、だから執行猶予付きの懲役刑になる。それ以上の罰を与える必要はない。」と、当たり前のことを発言してくれたんですね。

そして圧巻は、なんといっても今田耕司さんのまとめの言葉ですね。
劣勢に立っていたほんこんさんが「同情とかあるの?なんで~?」と問いかけた。
そしたら今田さんが「あるよ~!だって・・・」

周りの環境とかもあるし、これダイエット薬よ!と言われて実は麻薬だったという人もいる。
じゃあ、彼女が(沢尻エリカさん)何で始めたか?なんて誰が知ってるの?誰がわかるの?
人はそれぞれの事情があんねん。それ一緒くたにして、気持ちエエかもわからんよ『こいつらあか~ん』って言うたら。
でも、それぞれに事情があるんや。
あかんもんはあかん。だからこれが(刑罰)あるやん。国がちゃんとやってるやん。
一人一人事情があんねん。だからこの子の生い立ちとかさかのぼってみたら、なんか理由があんねん。
だからやったものは悪い!と決めつけるのは俺は絶対違うと思う!

こう言いきってくれたんです。
そしたら会場の中、拍手喝さいですよ。
ホント今田耕司さんの賢さ、ホレボレして大好きになりました!
見ていて思わず涙がこぼれました。
時代は確実に変わりましたよね。

今田耕司さん本当に有難うございます。
リスクをかえりみず、薬物依存症者にも同情と愛情を示してくださった今田さん
最高です!


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト