賀正 でございます。
いつものとおり、2020年を始めるに当たって、2019年を振り返ります。
「City」「Cool」「Convergence」3本柱のプロジェクトです。
1 CITY
Pop & Techの街づくりをするプロジェクトです。
1) CiP
港区竹芝にデジタル・コンテンツ産業集積特区を作る「CiP」。Pop &Tech 特区CiP。社団法人「CiP協議会」を設立し、2020年度の街開きに向け進んでいます。
通信、放送、IT、音楽、アニメ、ゲーム、お笑い、広告、商社、VC、学校など60社・団体が参加し、内閣官房、内閣府、総務省、経産省など政府とも連携しています。
国家戦略特区として総理大臣の認定を受けており、テストベッドを構築します。既にアーティストコモンズ、サイネージ実験、世界オタク研究所等のプロジェクトが走っています。
CiPファンドを立ち上げ、起業支援を進めています。「iU」のサテライト誘致などによる「超教育」構想を進めます。
http://takeshiba.org/
京都・沖縄等の都市、国内・海外との大学、韓国政府・コンテンツ振興院など海外との連携も強化します。
2019年には愛知県が計画する巨大インキュベーション施設「Station Ai」の設立に関わるとともに、スペイン・カタルーニャ州と協定書を締結し、都市整備に協力することとなりました。2020年は中国との関わりも探ります。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20191130-00152794/
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20191228-00156688/
竹芝に先端技術を実装する「City Tech委員会」(CT委)も活動を続けています。ロボット、AI,IoT、5G、8K、ドローン、モビリティ、情報銀行など、まるごと実装の姿が見えてきました。
総務省、通信キャリア、通信メーカ、自動車メーカ、ソフトウェア、不動産、建設、慶應義塾大学、東京大学、情報通信研究機構、映像配信高度化機構、IPDCフォーラム、東京都、理研などが参加しています。
CiPが入居するビルの上階にはソフトバンク本社が入居することも決定、連携を深めます。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20181229-00109405/
2020年7月4・5日には、CiP街開きイベント「ちょっと先のおもしろい未来」英語名Change Tomorrow を開催します。略してチョモロー。Chomorrow。ポップとテックをギュッと詰めます。ゆくゆくはSXSWやアルスエレクトロニカを凌ぐイベントに成長させたいと考えています。
2) iU
ICTビジネスの専門職大学「iU」を2020年4月に開学し、ぼくが学長に就きます。
https://www.i-u.ac.jp/
ICT☓ビジネス☓英語の徹底教育、全員インターンの実践教育、オンライン重視。
学生が全員入社する会社「i株」も設立し、学生が全員起業できる環境を整備します。
本校舎は東京都墨田区、スカイツリーの近くに新設します。ポップ&テック特区の竹芝CiPにサテライトを置きます。
国家戦略特区を活かします。教育特区の指定も目指します。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20191102-00149299/
教員を派遣し、インターンを受入れ、産学プロジェクトを起こすといった協力を表明している企業は150社を超えています。
https://www.i-u.ac.jp/company/
教員の8割は企業出身。ICT、通信、放送、メーカーなどさまざま。さらに客員教授として第一線の経営者などプロを迎えます。合計200名を超え、学生より教授が多い大学となりそうです。
https://www.i-u.ac.jp/newsrelease_no4/
開学に向け、毎週1本、ミニ講義を配信しています。
https://www.youtube.com/channel/UCDZ5aAZ_TuGz058tdYNQizg
そして每日、「今日のヒトコト」をツイートしています。
https://twitter.com/iuchannel
校歌は「少年ナイフ」が作りました。世界一パンクな校歌です。
“Let’s Go iU ” by Shonen Knife
https://www.youtube.com/watch?v=Bwe_zUKU4Yg&feature=youtu.be
3) 超人スポーツ
身体と技術を融合させ、人機一体の新しいスポーツを開発する「超人スポーツ」。稲見昌彦さんとぼくが共同代表、南澤孝太さんが専務理事として社団法人「超人スポーツ協会」を運営しています。
2020年の大会に向け、新スポーツの開発・普及を進めています。岩手県とも連携して、岩手ご当地超人スポーツの開発も行っています。2025年万博が決定した大阪で、万博公園を使った大会も企画しています。
http://superhuman-sports.org/
2 COOL ポップカルチャーの世界展開やコンテンツの開発を進めるプロジェクトです。
1) 京都国際映画祭 吉本興業が主導する「映画もアートもその他もぜんぶ」のイベント、実行委員長を務めています。京都の街を広く使い、映画人もアーティストも芸人も学生も子どもも観光客も参加する、他のどこにもない祭典にしていきます。先輩格の沖縄国際映画祭との連携も深めます。
http://kiff.kyoto.jp/
http://www.oimf.jp/
2) 世界オタク研究所
国際オタクイベント協会IOEAとCiPが連携し、世界オタク研究所を設立しました。世界各地で開催されるオタク系イベントの動員数は年2000万人にのぼるそうです。そのエンジンたる各国の研究者による総本山を創る。経産省の支援を得て進めています。
2019年にはスペイン・バルセロナにてオタク・サミットを開催。2020年夏は東京の予定です。
https://w-o-i.org/
3) Artist Commons アーティストに固有のIDを付与し、コンテンツやグッズ、ライブ等の情報を展開しやすいようにするプロジェクト「Artist Commons」を音楽業界と進めています。
政府クールジャパン戦略にも明記され、CiPをベースに展開、2019年に法人化しました。経済産業省の支援を得ています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20191005-00145375/
4) CiPファンド
「CiPファンド」を設立しました。資金の出し手と起業家とのマッチング基盤が整います。政府・クールジャパン機構とも連携します。既に3件の出資を実行しました。
https://cipfund.jp/
5) eスポーツ
経済産業省の委託により日本eスポーツ連合JeSUが開催する「eスポーツを活性化させるための方策に関する検討会」の座長を務めています。eスポーツの意義と課題を整理し、産業界、政府・自治体などのアクションを講じます。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20190928-00144445/
6) NHKクールジャパン
日本のクールを発信しつづける番組、15年目に入ります。BSを代表する長寿番組になりました。2019年は「鶏料理」「2.5次元」「昭和レトロ」「刀剣」「サンドイッチ」「うどん」「精進料理」の巻に参加しました。
http://www6.nhk.or.jp/cooljapan/
3 CONVERGENCE
メディア融合や新メディア開発を進めるプロジェクトです。
1) デジタルサイネージ
「デジタルサイネージコンソーシアム」設立12年。多言語・防災おもてなしサイネージとが国家課題と位置づけられ、総務省2020年ICT懇談会の場で方策づくりが続いています。これを推し進めます。総務省の実証実験にもCiPとして参加・協力しています。
http://www.digital-signage.jp/
2) 4K8Kパブリックビューイング
4K8Kはじめ超高精細映像パブリックビューイングの施設整備も総務省が推進しています。その推進母体「映像配信高度化機構」の理事長を務めています。NHK、NTT、NTV、スカパーJSAT、ソニーなどによって、実証開発や普及促進に努めています。2020年Tokyoまでに全国に超高精細・大画面のパブリックビューイング場を整備します。
http://nexcdi-f.jp/
3) IPDC/スマート放送
放送の電波に通信技術であるIPを乗せるサービスを開発するIP Data Casting(IPDC)。代表を務める「IPDCフォーラム」とともにCiP特区でのメディア融合実験を企画しています。V-high周波数帯の実験試験局免許を取得しました。民放連でぼくが座長を務めるネッド・デジタル研究会でもこれら企画を論議していきます。
http://www.ipdcforum.org/
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20191109-00150061/
4) オープンデータ
オープンデータ対策を進めます。VLED(社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構)に協力し、普及啓発に努めています。
http://www.opendata.gr.jp/
5) データ流通
データ取引市場の形成はじめデータの提供・利用を進めるための社団法人「データ流通推進協議会」の理事に就任しました。内閣官房IT戦略室、総務省、経済産業省での検討を踏まえ民間として立ち上げたものです。オープンデータとともに推進します。
https://data-trading.org/
6) シェアリングエコノミー
内閣官房IT戦略室の検討会議での議論を踏まえ、シェアリングエコノミー認証制度が始まりました。認証委員会に参加しています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20190706-00133009/
7) ネット炎上
ネット炎上対策を講ずるプロジェクト。理事長を務める社団法人「ニューメディアリスク協会」とともに、事例調査、啓発教育などの活動を進めています。
http://newmediarisk.org/guide/greeting
8) 理研AIPセンター
AI研究開発の日本の総本山、理研AIPセンター。コーディネイターに就任し、AI研究と社会経済をつなぎます。あれこれ仕掛けてまいります。
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2017/04/ai_24.html
4 参考
1)超教育協会
教育とテクノロジーの融合を進める団体「超教育協会」の専務理事を務めています。
IT、ソフトウェア、コンテンツなど30を超えるデジタル系の業界団体オールスターです。傘下の加盟企業は8000社にのぼります。経団連、新経連、日本IT団体連盟、内閣府知財本部、内閣官房IT戦略室もオブザーバー参加しています。
AI、VR、IoT、ブロックチェーン等先端技術の教育への導入を進める活動が始まっており、各種ワーキンググループが立ち上がっています。
デジタル教科書を制度化する学校教育法等改正に次いで、2019年は超党派の国会議員による教育ICT議連が提出した「教育情報化推進基本法」も成立。Wエンジンが整いました。年末には学校PC一人一台に向けた経済対策も組まれ、ぼくらが10年にわたり主張してきたことが制度的にも財政的にも整ったエポックメイキングな年となりました。
http://lot.or.jp/
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20191207-00153928/
2) デジタルキッズ
CANVAS石戸理事長率いるデジタルキッズも強力に進んでいます。ワークショックコレクション、国際デジタルえほんフェアも開催してまいります。3月にはiUの墨田キャンパスにてワークショップコレクションを開催します。
吉本興業とNTTが教育コンテンツなどを発信する事業「ラフ&ピース マザー」にクールジャパン機構が100億円を出資します。このコンテンツもCANVASが主導することとしています。
http://canvas.ws/
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamura-ichiya/20190720-00134878/
3) 情報リテラシー
青少年ネット安全・安心政策が新段階を迎えています。ケータイはスマホに、SNSはtwitterやLINEに移り、対策も変化しています。政府会議の主査を務めながら対応を進化させます。
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2017/11/blog-post_13.html
4) 企業経営
吉本興業、スペースシャワーネットワークの社外取締役を務めています。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2020年1月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。