田原総一朗です。
新年第1回目のブログである。
本来なら、あけましておめでとうと言いたいのだが、どうも世界情勢がきな臭く、無防備に新年を祝えない。
昨年12月、トランプ大統領が、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した。
ソレイマニ司令官は、イランでは国民的英雄である。
殺害直後には、NATO各国からは、「とんでもない愚策であり、トランプは大統領としての資格がない」という批判が起こった。
世界が恐れていたとおり、イランはその報復として、今年1月8日未明(現地時間)、イラクにあるアメリカ軍基地を攻撃。
当然ながら、イラクとアメリカの全面戦争が危ぶまれたが、トランプはこれに対して、軍事的報復はしないと表明。世界は胸をなでおろした。
しかし、その経緯を詳細に見てみると、どうも謎が残る。
イランは実は、イラクのアメリカ軍基地を攻撃する前に、イラクに対してその意思を伝えていたというのだ。
もちろんイラクからアメリカに、その情報が伝わることは織り込み済みだ。
当然アメリカは、イランが基地攻撃をすることを、前もって知っていたと考えられるのだ。
イランのミサイルを迎撃することも、十分可能だったはずであるが、甘んじて攻撃を受けている形だ。
しかも、アメリカ軍に死者はおらず、被害は最小限であり、トランプは「すべてが順調」とまでつぶやいている。イラクは「これから攻撃する」と伝え、アメリカも知っていながら攻撃させている。
いったいこれはどういうことか。
まるで動物の「甘噛み」であり、出来レースのようなのだ。
全面対決の危機は逃れ、ホッとしているが、何やら、うさん臭さが残るのである。
このうさん臭さ、について、
今後も追求していきたい。
編集部より:このブログは「田原総一朗 公式ブログ」2020年1月17日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた田原氏、田原事務所に心より感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「田原総一朗 公式ブログ」をご覧ください。