メキシコ地震発生!!防災心理学の3か条をリマインドしましょう

杉山 崇

メキシコで大きな地震がありましたね。日本への影響が怖いですね。

災害は忘れた頃が一番怖いもの…防災心理学の3か条を再確認しておきましょう。

日本は世界でも有数の”地震列島”。
首都圏直下型地震も「いつ来るか?」というモードに入っているようです。
いつ自分が被災者になってもおかしくありません。

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私たちの命は危険にされされているのです。
地震情報に敏感にならざるを得ません。

こんなニュースもあります。

http://dotounokensaku.org/earthquake_murai_0908

このように,日本ではすでに「どこで」起こりそうかは大体予想されています。
これまではほぼ予想されていることろで地震が起こってきているので,私たちはそれなりの心構えはできています。

ただ,
問題は
「いつ」,「どの程度か」
がはっきりしないことです。

これがわからないことで,私たちは「軽い地震なら気にする必要はない」という錯覚を持ってしまいます。
防災心理学では「正常性バイアス」と呼ばれる現象です。

これは「自分たちの日常が崩壊するなんて,ありえない!!」と言う心理です。
日常がいつまでも続くと,ついつい錯覚しちゃうのが人間です。
このことで「地震が起こるぞ!!」の怖さが麻痺して,「まあ,大丈夫だろう」になってしまうんです。その結果,せっかく情報が流れていても誰も気が付かない。

では,どうすればよいのでしょうか。

いつ来るかわからない地震に怯えて,常に備えていたほうが良いのでしょうか?
いいえ,そうではありません。

日々の積み重ねが人生ですから,人生はきっちり楽しんでいただいて,それが「いつまでも続くように」ときっちり備えておくことで被害を最小限にできます。
ここでは簡単な割に効果のある3つのマインドを紹介します。

①自分の住んでるところと訪れるところで想定されている最大級の被害をイメージすること
出来るだけ詳しく,目の前の日常が崩壊するレベルでイメージして下さい。
5秒でも10秒でもいいです。
イメージすると怖いですが,この怖さが重要です。

脳は怖さを優先的に記憶するので,わずかでも「怖い」を感じれば,みなさんが意識しなくても無意識で自動的に心の備えをはじめてくれるのです。

備えは無意識に任せて,みなさんはやりたいことをどうぞ。
無意識はそもそもが「リスクの監視システム」なので,ちょっとでも予兆を感じたら心の警報でみなさんに知らせてくれます。

地震情報にも敏感になってくれるので自動的に情報をキャッチ出来て便利です。
警報の僅かな時間差が生死を分けるので,早く作動する警報にしておきましょう。

②「その時」何ができるかをイメージしておく
私たちは行動の優先順位を決めて暮らしているのですが,思いがけない事態では行動の優先順位がわからずにパニックになったり,行動に時間がかかったりします。
この行動への僅かな時間差がまた生死を分けるのです。

具体的に知りたい方はこちらのサイトをどうぞ!!
緊急地震速報が流れたらどうするかを今のうちから考えておくべき : 緊急地震速報ガイド

③意外にも「嫌われる勇気」が必要なときも
防災心理学でよく問題にされることの一つは
「多数派同調バイアス」です。

「周りが平気な顔しているから」
「誰も心配していないから」
と,大丈夫だろうと思ってしまう心理です。

実はこれは大変危険なことです。
特に協調性の高い日本人は危険です。
”オオカミ少年”のように思われるのが嫌で黙っている人も多いようですが,大きな被害が出た時は,このバイアスで逃げ遅れた…という例が多いのです。
「危険」「怖い」と思ったら周りを気にせずに行動しましょう。

自分を信じて,「嫌われる勇気」を持ちましょう。
もし嫌われても関係は後で修復できます。
ですが,命は修復できません。

大事にするべき優先順位を間違えないようにして下さい。

【執筆者】
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杉山崇
神奈川大学教授
臨床心理士、1級キャリアコンサルティング技能士
公益社団法人日本心理学会代議員
精神科、教育委員会、企業メンタルヘルス事業所などで20年余り心理職を務める。
研究者としてはうつ病の対人関係と心理療法の研究で国費助成を20年弱得ている。
「心理学でハッピーになるお手伝い」を目指して、yahooニュース,mocosuku womenなどでも「使える心理学」を配信中!

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