都議選の行方は?:都民ファ・反都民ファ候補を直撃

都民ファ VS 反・都民ファ

小池百合子東京都知事と都民ファーストの会による「小池都政」の存亡をかけた東京都議会選挙が6月25日に告示、7月4日に投開票を迎える。今回の都議会選挙の焦点は、ついに7月23日に開催される東京オリンピックと新型コロナウイルス感染対策との両立もそうだが、小池百合子東京都知事が率いる都民ファーストの会および小池都知事に対する総括が大きな焦点となっている。

都民ファーストの会が圧勝し、「小池旋風」を巻き起こった2017年の東京都議会選挙から4年間の「小池都政」で何があったのか、そして今回の選挙の思惑とは。都民ファと反・都民ファそれぞれの候補者を直撃した。

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反・都民ファースト上田令子氏「小池都政は“政局ファースト”」

2017年の東京都議会選挙に都民ファーストの会から出馬、当選したが、同年10月に離党した、反小池の急先鋒・上田令子氏(2期)は、4年間の小池都政を振り返って、このように非難した。

「コロナ禍では12億円に及ぶ感染拡大防止対策を講じたが、その対策の根拠と成果、実証結果について追及しても、小池都知事は全く答えられなかった。このように小池都政は財源の根拠がないままに、突拍子のない事業を乱発していた。このことこそ選挙最大の焦点だ。」

上田令子氏

また知事と都議会の関係性について、都民ファーストの会を離党したきっかけと共にこう述べている。「小池知事は無所属で当選したのにも関わらず、公明党や連合東京(労働組合)と政策協定を結んでいくうちに、労働組合や政党の政策に配慮し始めて、それと同時に予算が大幅に膨れ上がったこと大きな問題がある。さらに、古い議会を新しい議会にすると宣言したのにも関わらず、実際は議員らから質問権や調査権を奪うことで都議会に圧力をかけるなどして、結局今までよりもっと古く、独善的な議会運営や党運営になってしまい、都民のために活動することができなかった。」

最後に上田氏は「東京都民の皆様としがらみのない、地域のための都政を作っていきたい。」と強く訴えた。

都民ファーストもり愛氏「私たちが、都民の生活を守る」

一方で、上田令子氏と同じく2017年に都民ファーストの会から出馬し当選した、森愛氏は4年間の小池都政を振り返って、政策実現へのスピードを強調した。「都民ファーストの会はよく政治の素人集団と呼ばれているが、政治経験はないが各分野のスペシャリストがそろっているため、知事がやってきた政策の多くは都民ファーストの会が提案したものが多い。さらに、議会改革に関しては物凄く厳しくなり、議員報酬2割削減や政務活動費の規制もあり、動けば動くほどお金が出ていくようになった。都民目線で税金の使い方を考えるようになった。」

もり愛氏

また、小池百合子都知事と議会の関係性については、「小池知事は4年間常に「私を活用してやりたいことを実現してほしい」と言い、実際に要望の中から実現したものがたくさんあるのも事実だ。」と、都知事と都議会の連携の強さを強調した。

もしも、“逆風”といわれている都民ファ―ストの会が議会第一党を死守したら、何が変わるのかを尋ねると「税金の使い方を変えていく、そして古い議会を変えていくという意味では、デジタル化や若者への支援、そして住宅問題の解決に向けて活動していく。また、今回の選挙で目玉となっている東京オリンピック開催については、開催都市の意見が全く反映されていないので、多くの国民・都民が納得できる大会の開催を訴えていきたい。」と話した。

今回の都民ファーストと反都民ファーストそれぞれの候補者とも、都知事と都議会の関係性について言及しており反都民ファースト側は「政党や労働組合との癒着をきっかけに古い議会改革どころか、都知事が議会に圧力をかけて、より古い議会運営がなされている。」と主張し、都民ファースト側は「政策実現のスピード感と都民視線での議会運営で、さらなる東京大改革が期待できる」と主張していた。

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今回の東京都議会選挙は、小池都政の存続か終焉の序章か。そして、どちらが本当の都民ファーストな都政を実現できるか、あと数日でその結果が出る。