人生を豊かに生きる人の共通点は「ギブアンドギブ」

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ビジネスとプライベートの判断基準の一番の違いは、経済合理性の有無だと思っています。2つの意思決定プロセスは全く異なるにも関わらず、プライベートがうまくいっている人はビジネスでも成功していることが多いのはナゼでしょうか。

ビジネスにおける意思決定は、費用対効果、メリットとデメリット(Pros.&Cons.)といった損得勘定で行うのが通常です。取引先が好きだからとか、担当者と相性が良いからといった理由では、社内の意思決定プロセスを通すことができません。できるだけ数値化して、合理的に納得できるロジックを組み立てる。そこには「トレード」という考え方が根底にあります。「ギブアンドテイク」という双方向の価値の提供です。

プライベートは、ビジネスとは対極にあるはずです。恋人や友達とは経済的なメリットがあるから付き合うのではなく、単に好きだから、気に入っているから、楽しいからといった気分で意思決定をすることが普通です。「トレード」ではなく、相手に与えるという「ギブアンドギブ」の気持ちをお互いに持つことが重要なはずです。

しかし、ビジネスでも成功している人を見ていると、この「ギブアンドテイク」というトレード関係から、一歩踏み出して「ギブアンドギブ」のプライベートのような関係を築いている人が多いことに気が付きます。

何かをもらえなければ、何かを渡さないという関係はプライベートでもビジネスでも、味気なく継続性の無い関係です。どちらから、与えることができなくなった瞬間に、その関係が終わってしまうからです。

ところが、「ギブアンドギブ」の関係であれば、相手は関係ありません。自分がやりたいと思うから何かをする。この見返りを求めないという気持ちをビジネスにも持ち込んでいる人は、計算している訳ではないでしょうが、相手の心の中に奥深く入りこむことができます。

最近、今までの人生を振り返る時間があり、自分自身を顧みてみると、そんな「ギブアンドギブ」の視点が欠けていたと反省しました。2つの相反する考え方を1つの心でどうやってバランス良く統一させるか。それこそが人生を豊かに生きる極意なのかもしれません。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年4月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。