與那覇潤氏と池田信夫氏の10年ぶりの共著は「長い江戸時代のおわり(ビジネス社)」という意味深長なタイトルです。前著「「日本史」の終わり」を読まれた方は、10年前の状況を思い出すかもしれません。
有史以来、中国化と江戸時代化の間で揺れ動く日本は、
この30年間、日本は、幾度となく江戸時代化から脱却する必要性に迫られてきましたが、
しかし、コロナ禍とウクライナ戦争によって、日本は好むと好まざると、強制的に
「「日本史」の終わり」で議論したことは、なにが変わり、
前著が出た2011年当時は、東日本大震災の影響のなかで、左右の陣営がともになにかしらのリセットをしなくてはならないという焦燥感や高揚感があ
しかし、與那覇氏は、「そんなこと(リセット)は起きなかった」と言います。一方の池田氏は、あいもかわらず「エグジットできない社会が日本の問題だ」と指摘します。
令和の現在は、逆に無自覚な昭和回帰すら生まれています。日本は結局「閉じた社会」から「開かれた社会」に向かうことなく、さらなる江戸時代に向かってしまうのでしょうか。
アゴラでもおなじみのふたりが、軍事、政治、経済など5つの視点から語り合います。
第1章 軍事――ウクライナ戦争で「平和主義」は終わるのか
第2章 政治――「自民党一強」はいつまで続くか
第3章 経済――「円安・インフレ」で暮らしはどうなるか
第4章 環境――「エコ社会主義」に未来はあるか
第5章 中国――膨張する「ユーラシア」とどう向きあうか
第6章 提言――日本の未来も「長期楽観」で
結論は楽観か悲観か。読者であるみなさんに委ねられます。
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